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日本も沸騰化?桜開花も異例の早さ 猛烈残暑も長く続き… 2023年の記録的高温を振り返る

2024年1月7日 18:00
日本も沸騰化?桜開花も異例の早さ 猛烈残暑も長く続き… 2023年の記録的高温を振り返る
2023年の年平均気温

■年平均気温1位の地点が続出か?

札幌における2023年の年平均気温は11.0℃に達する見込みで、これは東北北部の青森や盛岡の平年値より高い気温です。同様に仙台(2023年15.0℃)は、平年の前橋に相当する気温で、東京(2023年17.6℃)は、伊豆大島の平年値より高い気温です。同様に広島(2023年17.5℃)は四国並み、福岡(18.5℃)は、九州南部並みの気温といえます。例えるならば、2023年の日本列島は南方に100~200キロ移動したととらえることができます。

(※記事中の年平均気温は12月中旬までの実況に、12月下旬の平年値を加味して算出したものです)

■記録的な「暖春」 ソメイヨシノ開花も異例の早さに

2023年の高温記録が目立ちはじめたのは春になってからです。3月の月平均気温は、全国153か所の主要観測点のうち、7割以上で観測史上1位となりました。観測史上2位の記録だった地点を含めると、実に9割以上になります。

記録的な暖かさの影響で、東海、関東から北陸、北日本にかけてソメイヨシノの開花が大幅に早まりました。3月14日に全国のトップを切って開花した東京は観測史上1位(タイ)の早い開花となったほか、札幌や盛岡では、これまでの最も早い開花記録を6日も更新する早い開花となりました。桜の名所として知られる弘前城(青森)では、本来設定されていたさくらまつり期間の前に満開となってしまったようです。

▶2023年のソメイヨシノ開花日(観測史上最も早い開花となった地点)

札幌(4月15日)室蘭(4月21日)函館(4月14日)青森(4月7日)秋田(4月4日)盛岡(4月3日)山形(3月31日)仙台(3月26日)福島(3月24日)新潟(3月27日)富山(3月22日)金沢(3月23日)福井(3月22日)長野(3月28日)甲府(3月17日)水戸(3月20日)前橋(3月18日)熊谷(3月17日)東京(3月14日)横浜(3月15日)名古屋(3月17日)岐阜(3月16日)大阪(3月19日)奈良(3月20日)鳥取(3月19日)

2023年の夏は、各地で厳しい暑さとなり、8月の平均気温は全国の6割以上の観測点で1位から3位の高温を記録しました。特に暑かったのが8月上旬で、8月4日には、全国のアメダス観測点の9割以上が30℃以上の真夏日となりました。8月5日には福島・伊達市梁川で40.0℃を観測。8月10日には台風の影響によるフェーン現象で、石川県の小松で40.0℃まで気温が上がったほか、函館では35.4℃と、観測史上初めて35℃以上の猛暑日となりました。同日、新潟県の糸魚川では最低気温が31.4℃までしか下がらず、最低気温としては全国歴代1位の高温記録を更新しました。

残暑も厳しく、9月の平均気温が観測史上1位から3位となった地点は全国の9割以上にもおよびました。2023年の猛暑日(35℃以上)日数は、桐生(群馬)で46日、熊谷(埼玉)で45日、京都で43日に達し、それぞれ最多日数を更新しました。東京の猛暑日日数も平年を17日も上まわる22日に達し、観測史上最多を更新しました。海からの涼しい風の影響で、これまで猛暑日になったことがない千葉県の勝浦市が避暑地として注目されました。

■2023~2024年の年越しも暖かく

日本列島は、クリスマス前に強い寒気が南下し、各地で真冬並みの寒さとなったほか、日本海側の地域を中心に大雪になった所がありましたが、年末には寒さがゆるみ、暖かな年越しとなりそうです。

2023年は地球全体の気温も観測史上最高になる可能性が指摘されています。国連のグテーレス事務総長は、7月の世界的な高温を受けて「地球沸騰化の時代がやってきた」とコメントしました。「沸騰化」という誇張された表現は、地球温暖化に対する危機感を意識して使われたものとみられます。

極端な高温は、私たちの健康のみならず、農業や生態系に影響を及ぼすおそれがあります。高温傾向が2024年も続くのかどうか、今後も注目していく必要があるでしょう。