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米兵による“性暴力” 高まる県民の反発、抗議集会も…事件相次ぐも情報共有されず 沖縄

2024年7月12日 5:50
米兵による“性暴力” 高まる県民の反発、抗議集会も…事件相次ぐも情報共有されず 沖縄

沖縄県内でアメリカ軍兵士による性暴力事件が相次いで発覚している問題で、県民の反発が高まっています。11日夜、那覇市で女性たちによる抗議集会が行われました。

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11日夜、沖縄で行われたのは女性たちによるデモ。約70人が参加しました。(※主催者発表)

その後の集会で訴えたのは…

「私自身も被害に遭ったりというのがあって、誰にもいえなかったり」
「基地があるが故に見えなくなってしまう性暴力がある。いまこの現状がおかしい」

いま沖縄で大きな問題となっている、相次ぎ発覚したアメリカ軍関係者による性暴力事件についてです。

きっかけは、去年12月。アメリカ空軍兵のブレノン・ワシントン被告(25)が、沖縄県内の公園で16歳未満の少女に声をかけて自分の車に乗せ、自宅に連れ込んだうえ性的暴行を加えたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交等の罪で、ことし3月に起訴された事件です。

しかし、この事件が明るみに出たのは起訴から3か月がたった6月後半でした。警察や外務省からの連絡はなく、報道で事件を知ったという沖縄県の玉城知事は…

沖縄県 玉城デニー知事(6月25日)
「(連絡がなかったのは)不信を招くものでしかない」「本当に強く強く抗議しなければならない」

さらにこの後も、アメリカ軍による性暴力事件が次々と明らかになりました。

ことし5月下旬には、性的暴行をしようとして女性にけがをさせた、海兵隊員の20代の男が逮捕、6月に起訴されました。

そして今月3日、新たに3件の性暴力事件が発覚しましたが、いずれも不起訴となっています。

在日米軍専用施設の約7割が集中している沖縄県。これまでアメリカ軍関係者による性暴力事件などの重大事件が起こった際には、県警は県に対し、慣例的に伝えていましたが、ここ数年、そうした情報共有のシステムが機能していなかったといいます。

そして、これらの事件について、アメリカ軍から防衛省にも伝えられていなかったということです。

事件をうけ、アメリカ空軍の司令官らが、沖縄県庁を訪れた際には…

第18航空団司令官 エバンス准将(6月27日)
「私はこの件に深い懸念を持っており、皆様に心配をかけていることを遺憾に思います」

あくまでも「遺憾」とし、謝罪の言葉はありませんでした。

林官房長官は情報伝達の範囲について「被疑者により犯行が行われたと認められる事案については、例外なく情報伝達を行う」と説明。

去年12月の空軍兵による事件の初公判は12日、那覇地裁で行われます。

(7月11日放送『news zero』より)