電気代に影響…各党のエネルギー政策は?【#きっかけ解説】
──エネルギーというと、私たちにとって身近なのが電気代ですが、高止まりしている印象ですね。
はい。10月使用分の東京電力の電気料金は、標準的な使用量の家庭で、国の補助金効果もあって8260円となっています。ただし、補助金は今月で終わる予定で、11月使用分は8868円と600円以上値上がりする見通しです。
──電気代が高くなる要因は?
大きな要因は、火力発電への依存度が高いということです。日本は発電のおよそ7割が火力発電となっています。
一般的な電気料金は、火力発電の燃料となる石油や石炭などの輸入価格に左右されるので、ただでさえ高騰しているところに円安も相まって、より一層、高くなっているのです。
さらに将来、もっと電力が必要になる可能性もあります。その理由が、生成AI技術の進展です。
国内では、生成AIのデータ処理を行うデータセンターと呼ばれる施設の建設が相次いでいます。データセンターは、とても多くの電力を必要とするため、将来、より多くの電力が必要となる可能性も指摘されています。
輸入する化石燃料に頼らず、今後どうやって安定的に電力を確保できるかどうかが、私たちの生活にとっても、日本経済にとっても非常に重要なのです。
──では、各党はどのようなエネルギー政策を掲げているのでしょうか?
多くの党が「再生可能エネルギーの活用」を掲げていて、明確に分かれているのが、原発を活用するかどうかです。
自民党は「原発の活用」、日本維新の会、国民民主党、参政党は、それぞれ「次世代原発の開発」を掲げています。
一方で原発に否定的な政策を掲げているのは―公明党が「原発に依存しない社会を目指す」、立憲民主党は「原発の新増設は認めず」、共産党は「2030年度に原発ゼロ」、れいわ新選組は「原発即時廃止」、社民党は「脱原発進める」と掲げています。
──原発をどうしていくかは、原発がある地域だけでなく日本全体で考えなければならない問題ですね。
そうですね。原発は、電力の安定供給や脱炭素には有効ですが、万が一の事故でのリスクが大きく、いわゆる“核のごみ”の最終処分場をどうするか、という課題も解決できていません。
一方で、再生可能エネルギーは脱炭素には有効ですが、安定供給には課題があります。