「100%メロンテイスト」…実はメロン果汁は“2%” 消費者庁が措置命令
キリンビバレッジが販売していたメロンにストローが刺さったイラストに、「100%メロンテイスト」と書かれたジュース。実際は、メロン果汁は2%ほどだといい、消費者庁は再発防止などを求める措置命令を出しました。
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問題の飲料について、パッケージの写真と共に「この飲み物、何ジュースに見えますか?」と街で聞いてみました。
会社員(20代)
「もう、いろんなところがメロンなんで、メロン感めっちゃ強いなって」
会社員(30代)
「メロン…メロンジュースにしか見えない」
「100%のメロンテイスト」をウリにしたキリンビバレッジの「トロピカーナ 100%まるごと果実感 メロンテイスト」。注ぎ口にはメロンにストローが刺されたイラストがあり、パッケージ正面には「厳選マスクメロン」の文字が書かれています。しかし、裏面の名称をよく見ると、メロンではなく「果実ミックスジュース」です。
実は、あくまで“メロン風味”で、実際のメロン果汁は2%程度だったというのです。
消費者庁の発表
「原材料の98パーセント程度は、ぶどう、りんご及びバナナの果汁を用いており、メロンの果汁は2パーセント程度しか用いていないものであった」
消費者庁は6日、あたかも原材料の大部分がメロン果汁であるかのような表示が景品表示法違反にあたるとして、キリンビバレッジに措置命令を出しました。
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再び、街の人に聞いてみました。
――実はメロンの果汁が2%しか入っていない
会社員(20代)
「えー! これちょっと…悔しい」
話を聞いた3人組は、もう一度、パッケージ正面の写真をよく見ていました。
会社員(20代)
「あっ! ここにりんごある! バナナとか、ぶどうとか」
パッケージの下の方には、さりげなく他の果物のイラストも書かれていました。
会社員(20代)
「うまいなーこれは」
「信じて買っちゃいますね」
――ミックスジュースだとは?
会社員(20代)
「思わないです!」
製造元のキリンビバレッジによると、2020年6月から「果実ミックスジュース」を、当該のパッケージで販売していたといいます。パッケージが“メロンのみを使用したかのような印象を与える”として、購入客からは「わかりにくい」との声が出ていました。
ことし4月11日には、消費者庁からも指摘を受け、4月14日には製造と出荷を停止。しかし、その翌日の15日には、デザインを変更して出荷していました。
変更後のパッケージを変更前のものと比べると、りんごやぶどうなど他の果物のイラストが目立つように表示されるようになっていました。変更前に「100%メロンテイスト」と表記されていた部分は、「100%フルーツジュース」に変わっていました。
消費者庁からの措置命令を受け、キリンビバレッジは「誤解を与えるようなパッケージ表示を行ったことに対し、深くお詫び申し上げます」とのコメントを出しました。
景品表示法違反とされたパッケージのものは、現在は流通していないということです。
(9月6日放送『news zero』より)