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マッチョな肉体が輝く「看護師カレンダー」にカードゲームのような“職人カード” 制作に込めた思いは

2022年11月17日 20:33
マッチョな肉体が輝く「看護師カレンダー」にカードゲームのような“職人カード” 制作に込めた思いは

“筋肉自慢”な男性が肉体を披露するカレンダーや、働く人の写真が載っているカードなど、各地でユニークな取り組みが行われています。その目的は、貧困支援や担い手不足の解消など、さまざま。それぞれの取り組みへの思いを取材しました。

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ある室内で、鍛えた上半身が光る男性たちが動物を抱えて写真を撮っていました。彼らの正体は…オーストラリアの現役の消防隊員です。動物保護などを支援するために消防隊カレンダーを発売していて、その収益は動物保護団体に寄付されるということです。

こうした取り組みは、日本でも行われています。あるカレンダーの上半分には、割れた腹筋が光る男性が注射器を持つ姿や、鍛えた上半身の首に聴診器をかけた姿が写し出されていました。

メンズナースオキナワ 諸見里啓代表
「こちらが去年作りました『沖縄メンズナースカレンダー』の第1弾になります」

沖縄県内の男性看護師らが鍛え抜いた肉体を披露する、その名も『メンズナースカレンダー』です。発売のきっかけについて、諸見里さんは「沖縄の将来を担う子どもたちの助けになればと思って」と話します。

コロナ禍で経営が厳しくなっている子供食堂の助けになれば…と、昨年まで看護師として働いていた男性が“筋肉自慢”の看護師らに声をかけ、制作・販売しました。今年は1100部売れ、売り上げの一部の約127万円を寄付したといいます。

メンズナースオキナワ代表 諸見里啓さん
「前回、なんとかプロジェクトを成功させることができて、自信にもつながりました」

現在、第2弾となる来年のカレンダーを製作中で、体も仕上げにかかっているということです。

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一方、青森県深浦町にある住宅メーカー「秋穂ハウス」では、パソコンの画面にあるカードのデザインが表示されていました。カードには、腕を組む男性の写真が…。

秋穂ハウス 秋穂直矢社長
「大工の棟梁(とうりょう)(親方)ですね」

写真の下には、名前や体のサイズだけではなく、体力や統率力などを表すグラフも記されています。まるでカードゲームのようなデザイン。“職人カード”と言われています。

家を施工する職人の情報が載った“職人カード”。作った理由について、秋穂社長は「建設業界は職人不足。確保が重要な課題でして」と説明しました。子どもでも興味を持ちやすいカードにすることで、「将来、職人になる人が増えれば」との思いが込められていました。

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こうしたカードを使った取り組みは、各地でも広がっています。兵庫県伊丹市では、卓球場や風船などイベント用品を扱う店の一角に、“カード”が置かれていました。これらは、伊丹市にある商店などが配布する“商店カード”。地元の商工会議所が計画し、市内32店舗の店主の顔や店の情報などが載せられています。

伊丹商工会議所 経営支援課 菊農芳広係長
「カード作るだけだと、なかなか広まらないかなというところで」

参加する店で購入やサービスを受けると、この“商店カード”がもらえ、3枚集めると商品券などのプレゼントに応募ができるといいます。複数の店を巡ってもらうことで、町おこしにつなげる狙いがあるということです。

伊丹商工会議所 経営支援課 菊農芳広係長
「(お客さんから)『今まで行ったことのないお店に行くきっかけになった』と。さらに来年とかも、いいものができたらなと。続けていけたらなと」