「海外でもうかる仕事」は危険!警察庁が具体的な事例を公開 渡航前に相談を
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SNSなどを通じて海外に誘い出され特殊詐欺に加担させられるなどのケースについて、警察庁は去年10月以降、10件を把握していると明らかにしました。
捜査関係者によりますと、宮城県に住む17歳の男子高校生がオンラインゲームを通じて、愛知県に住む16歳の男子高校生がSNSを通じて、それぞれ面識のない人間に誘われ海外に渡航し、ミャンマーの国境地帯に連れ去られ、犯罪グループの拠点で特殊詐欺のかけ子をさせられていたことがわかっています。
このケースも含め、警察庁は去年10月18日から今月18日までに、闇バイトに絡んで海外渡航した、または、海外渡航の勧誘を受けた人を警察が保護したケースが10件あったと明らかにしました。そのうち6人が10代と20代で、なかには50代、60代の人もいたということです。
渡航先は実際に行っていないケースも含め多い順にカンボジアが3件、ミャンマーが2件となっています。具体的にはオンラインゲームで知り合った人から海外の仕事を紹介されタイへ渡航。その後、ミャンマーに密入国させられ、マシンガンで武装した人が監視する建物で詐欺をさせられたケースがありました。
また、知人から海外の仕事を紹介され、中国へ渡航。詐欺をするように言われたため帰国したいと話したところ、暴力団の名前を出され脅迫され、領事館に助けを求めて保護されたケースもあったということです。
警察庁は、犯罪組織は思いもよらない地域に連れて行き詐欺に加担するよう強制するうえ、殺されてもおかしくないと危険性を強調し、「海外でもうかる仕事」を紹介された場合は、すぐに警察に相談するよう呼びかけています。