「ワクチン打ってもすり抜ける」――コロナ新系統“BQ.1.1”へ置き換わり 国内感染「3000万人超」…インフルと同時感染も
新型コロナウイルスの国内の感染者数が累計3000万人を超えました。インフルエンザとの同時感染も起きています。第7波で主流だったオミクロン株「BA.5」が疑われる割合は半数以下にまで減り、免疫回避力が高いとされる“新系統”への置き換わりが進みます。
■年末の2~3倍…患者の問い合わせ増
東京・北区のいとう王子神谷内科外科クリニックには、今年も多くの患者が訪れています。
1日には、41.7度まで発熱した7歳の男児を連れた母親が「(子供が)急にばっと熱が上がって、ほとんど眠れず…」と受診時に伝えました。
医師
「(子供は新型)コロナ(ウイルス)ワクチンとか、インフルエンザワクチンって打ちました?」
母親
「インフル(のワクチン)は打ちました」
この時、検査キットではインフルエンザA型が陽性になりました。ただ念のためPCR検査も受けたところ後日、陽性と判明。医師は「けっこう珍しいんですけど、(インフルエンザと新型コロナの)同時感染だったわけです」と話しました。
4日には別の男性患者が受診。12月17日に新型コロナワクチンを打っていたため、医師は「4回目打ってから1か月たってないから、効いてきてるとこだと思うけど…」と言いました。ただ結果は、新型コロナ陽性でした。
伊藤博道院長は「年末に比べると2倍から3倍近い、発熱外来受診希望の患者さんの問い合わせが増えています。ワクチンを打っても免疫力をすり抜ける力がある株が広がっています」と指摘します。
■第7波の主流「BA.5」疑いは減少
5日に公表された東京都の資料によると、第7波で主流だったオミクロン株の「BA.5」疑いは、昨年10月18日~24日に91.2%でしたが、12月20日~26日には44.9%と半数を下回りました。
一方で、免疫を回避する力が高いとされる「BQ1.1」疑いは、同じ期間で比べると2.5%から8.4%に増え、置き換わりが進んでいることが明らかになりました。
都内の昭和大学病院の相良博典院長は「かなり置き換わってきています。特にBQ.1が増えてきている印象があります。(病院の統計では)ほとんど4回ワクチン接種をしている人たちです」と話します。
ただ、今のところ重症者はほとんどいないといいます。
相良院長
「ワクチン接種をすることで重症化自体は抑えられていますが、一方で感染拡大する強さは持っているだろうと(思われます)。今以上にマスクや手洗いをしっかりやっていく必要性があるだろうと思います」
引き続き、感染対策が求められています。