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被災地 心を守るには ストレス和らげる方法は…? 【#みんなのギモン】

2024年1月9日 12:42

■ストレスを和らげるには…自己コントロール感の回復 人との会話も大切

続いて2つめのポイント「ストレスを和らげるには?」です。

被災地では、水が出ないため手も洗えない、知らない人と一緒に寝なければならないなど、あらゆる「不便な生活」がストレスになっている、という声が聞かれています。

環境が改善されるには時間がかかりますが「何か今すぐできるストレスを和らげる方法ありませんか」と矢田部医師に聞いたところ、いくつかあげてくれました。

そのひとつが「自己コントロール感を少しでも取り戻すこと」です。いまは災害に振り回されている状況なので、自分で物事をコントロールできない。その中でも、少しずつ自分のペースでできる何かを見つけるということです。

たとえば、自分の意志で、体を少し動かす。身の回りを整頓する。起きる時間を決めておく。こういったことを積み重ねると、自己コントロール感を取り戻し、自尊心の回復にもなるといいます。

無理に日常に近づける必要はありませんが、たとえば自分で1日の日程を決めて行動するなど、いつもやっていたことをやるのも、心の回復につながるということでした。

他には「人を頼る」という方法です。何かを運んでもらうなどの物理的なことだけでなく、「周りの人とおしゃべりすること」も大切だそうです。話すだけで、気持ちが和らぐこともあるということです。

■子どもの心のケアは? 津波や地震の「ごっこ遊び」止めないで

そして、もうひとつ目を向けたいのが「子どもの心のケア」です。

震災を経験した子どもが「ごっこ」遊びをすることがある、といいます。たとえば、東日本大震災のあとにはブロックで建物を作って「津波が来た」といって壊す「津波ごっこ」、熊本地震の際には、緊急地震速報の音を声でまねる「地震ごっこ」といった遊びがみられたそうです。

周りの方からすれば、不謹慎だからと注意したり、やめさせたくなったりするかもしれません。しかし矢田部医師は「見かけても、止めないでほしい」といいます。

「子どもはそういう『ごっこ遊び』を通して、地震の恐怖体験を消化しようとしていて、心が回復していくためには大切なこと」なのだそうです。

もし可能であれば大人も「ごっこ遊び」に加わって、「避難したから大丈夫だったね」などと「前向きな結末」に誘導してあげることが大切だといいます。

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■行政・公的機関の職員など「支援する側」の心のケアも…
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