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【解説】「今年売り上げ伸びたものランキング」1位は? “制限解除”で行動に変化も…

2022年7月1日 19:54
【解説】「今年売り上げ伸びたものランキング」1位は? “制限解除”で行動に変化も…

7月に入り、2022年も後半戦に突入しました。上半期には何が売れたのでしょうか。その売れ筋から、コロナ禍での行動変化が見えてきました。

「あの商品も巻き返し」、「『おうち』より『外出』」、「感染再拡大…要因は」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■「今年売り上げ伸びたものランキング」 制限緩和で売り上げ増加の商品も…

全国約6000店のスーパー・ドラッグストアなどで、今年の上半期に売れた日用品などのランキングが発表されました。緊急事態宣言が続いていた2021年上半期と比べて、今年は何が売れたのでしょうか。伸び率のランキングをご紹介します。

8位は、のどの痛みを抑える口腔(こうこう)用薬。オミクロン株の特徴である「のどの痛み」により買った人が増えたとみられます。7位は解熱鎮痛剤。新型コロナワクチン接種による副反応に備え、買った人が増えたとみられます。2位は検査薬。主に新型コロナ検査キットを購入した影響とみられています。主に新型コロナ関連の商品が、ランクインしました。

一方、行動制限の緩和を受けて、売れ行きが伸びたことがわかるものもあります。10位の日焼け止めなどは、外出機会の増加が背景にありそうです。5位の使い捨てカイロは、ワクチン接種が進み、昨年の冬より外出機会が増えたことによるものとみられます。4位の口紅は、昨年よりマスクをとる機会が増えたとみられています。3位に入った酔い止め薬などの鎮うん剤は、ゴールデンウイークなどに旅行した人が増えた影響とみられ、昨年と比べ、約1.5倍に増加しました。

そして、気になる1位は、オートミールです。前年比で245%増加しました。調査会社によると、オートミールは低カロリーで食物繊維が多く含まれていることから、コロナ禍で健康志向のニーズが高まったではないかということです。

■コロナ禍による行動変化も…感染者増加続く

このランキングからも、コロナ禍による行動変化が読み取れますが、心配な状況も発生しています。

6月30日、東京都で新たに3621人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。2日連続で3000人台の感染者が確認され、13日連続で前週の同じ曜日の人数を上回りました。

これを受けて、東京都は6月30日、警戒レベルを「感染拡大の兆候」から「感染が拡大している」に1段階引き上げました。国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、今のペースで増加した場合、「再来週には、感染者数が5000人を超えることになりかねない」と警鐘を鳴らしています。

また、NNNによる7月1日午前0時時点での全国の新型コロナ感染者数は、2万3448人で、死者は13人でした。島根県では過去最多となる374人の新型コロナ感染者が確認され、クラスターが発生しているとみられます。37都府県で前週の同じ曜日の人数を上回りました。

■感染者増加…4つの要因とは?

6月30日、厚生労働省の専門家会議は、主に4つの要因を指摘しました。

1つ目の要因は「人出増加」です。行動制限がなくなり、特に大都市では夜の人出も増えているということです。

2つ目の要因は「暑さ」です。7月1日も、東京では7日連続の猛暑日になりました。熱中症対策で冷房が欠かせません。冷房優先のため、換気をしない人も増えているということです。

3つ目の要因は「免疫効果の低下」です。新型コロナワクチン接種を受けた人や、実際に感染した人も、その後時間が経過して、免疫が下がっている人が増えていることも考えられるとしています。

■オミクロン株の新系統に置き換わりも

4つ目の要因は、オミクロン株の新たな系統「BA.5」への置き換わりです。「BA.5」とはオミクロン株の一部が変異したもので、今日本で主流の「BA.2」よりも感染力が強いとみられています。既にスクリーニング検査では、東京では感染者の25%、大阪では8.6%が「BA.5」に置き換わっています。

今、世界的にも、オミクロン株の新系統が占める割合が増えています。日本では「今後、主流となり、感染者数の増加要因となる可能性がある」と警戒されています。

これまでのところ、重症化については大きな変化はないとみられています。アメリカの規制当局は日本時間7月1日朝、「BA.5」などに対応するワクチンを製造するようメーカーに勧告しました。従来のワクチンが効きづらい可能性が指摘されているため、感染拡大を防ぐために、ワクチンの改良が必要だとしています。

     ◇

これから3連休や夏休みなど、旅行やイベントが増える季節を迎える中、新型コロナの感染者数はジワジワと増えています。ただ、今の私たちには、かつてはなかったワクチンや治療薬、そして、過去2年半続けてきた感染対策に関する知識や経験という強い武器があります。これらの蓄積をうまく生かして、感染対策を続けながら、楽しい夏を乗り切りましょう。

(2022年7月1日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)