日本被団協にノーベル平和賞 被爆地から喜びの声も…世界では核の脅威と戦闘続く
ノーベル平和賞に日本被団協=「日本原水爆被害者団体協議会」が選ばれました。各地から喜びの声が上がっています。
広島県民
「言葉にならない、よかったです。みんなのこと思って頑張ってくださっていたのが伝わって」
「もう80年ぐらいたつ。やっとここまできたかなって感じがします」
長崎県民
「素晴らしいことじゃないですか、やっと認められて」
「認められてうれしいですね。被爆者の声が認められたのは」
東京でも次のような声が聞かれました。
「平和に向けてという気持ちは世界で一緒だと思う」
被爆地の市長が強調したのは、今回、選ばれた意義についてです。
広島市 松井一実市長
「世界に警鐘を鳴らすというか、そういった思いをみなさん受け止めて、今こそ動かないと大変な事態になるんじゃないかと、とても重大なメッセージを発していただいているのではないかと」
長崎市 鈴木史朗市長
「混迷を極める現下の国際情勢の中で核兵器のない世界の実現に向け、世界が大きく舵を切る契機となることを心より期待しております」
石破首相は、訪問していたラオスでコメントを発表。
石破首相
「長年、核兵器の廃絶に向けて取り組んでこられた同団体にノーベル平和賞が授与されることは極めて意義深いこと」
功績をたたえる声は海外からも上がっています。
2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンはSNSを更新。
ICAN
「広島と長崎の被爆者は核兵器の壊滅的な影響に対する認識を高め、その完全廃絶を推進するためにたゆまぬ努力を続けてきました」
また、国連のグテーレス事務総長も声明で「彼らの心に焼き付いた生々しい証言は、核の脅威が歴史の教科書の中だけにとどまるものではないことを世界に思い起こさせます」と述べました。
日本被団協 箕牧智之代表委員
「トゥーエブリワンインザワールド、世界の皆様へ、私たちが生きている間に核兵器をなくしてください」
今まさに世界で高まる、核の脅威。
ウクライナと戦闘を続けるロシアは、核兵器を使用する可能性をちらつかせ、北朝鮮は核開発を続ける方針を示しています。
そして多くの民間人が犠牲になる戦闘は今も続いています。
イスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラによる戦闘が続くレバノン。イスラエルは10日もレバノンの首都を攻撃し、レバノン保健省は、22人が死亡、117人がケガをしたと発表しました。
また、同じく戦闘が続くパレスチナ自治区・ガザ地区では、避難所となっていた学校がイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも28人が亡くなりました。
避難していた住民
「ここにいる私たちは全員民間人で、学校に避難しているんです。どうしたらいいというのですか?」
さらにウクライナとロシアの戦闘も終わりが見えていません。
ロイター通信によると、こうした世界情勢を受け「平和賞授与を見送るべきだ」との声も上がっていたという今年のノーベル平和賞。授賞式は今年12月、ノルウェーのオスロで行われます。
(10月11日放送『news zero』より)