ジャニーズ事務所“廃業”へ タレント・ファンの反応 企業は…新たに“直接契約”も
ジャニーズ事務所は社名を変更し、被害者への補償終了後に廃業することを決めました。3日、所属タレントは相次いで反応しました。また、起用をめぐっては、企業のスタンスに違いも見られます。
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3日午後9時ごろ、グループ名を変更する「ジャニーズWEST」が7人そろってファンクラブサイトの動画に姿を見せました。
桐山照史さん(ファンクラブサイトの動画より)
「心配とかかけてしまって、本当にまずはごめんなさい。一番気になっているのは、たぶんグループ名のことですね」
「ファンの声が聞きたい」として、これからファンクラブ内で意見を募集する仕組みを作るといいます。
中間淳太さん(ファンクラブサイトの動画より)
「その意見をくみ取ってみんなが納得できるような、結果が出せるようにしっかりと話し合いますので、たくさんの書き込み待ってます」
3日、ジャニーズ事務所の前には、「嵐」のうちわやグッズを手に写真を撮る人たちの姿がありました。
撮影に来た嵐ファン
「被害者のことを思うとなかなか…その気持ちもわかりますし、でもタレントさんたちには頑張ってもらいたい」
大阪にある「ジャニーズショップ」にも、「ジャニーズ」の社名を撮ろうと多くのファンが集まっていました。
King&Princeファン
「最後に写真に収めようかなと。被害者の方は、名前を聞くとつらい思いをする人もいっぱいいるかと。(社名変更は)仕方ない」
そして、ファンがコンサートチケットの当選祈願に訪れるという東京・中央区の福徳神社では、3日も若い女性が手を合わせていました。
なにわ男子ファン
「事務所の力というよりも、個々の力でどうにかなっていく方がいい。それぞれのグループが個々で頑張ればいいのかな」
ジャニーズ事務所は2日、社名を「スマイルアップ」に改め、いずれ廃業すると宣言しました。
東山紀之社長(57)
「現在のジャニーズ事務所社名を変更いたします」
「被害を受けられた方の補償、きちんと最後まで行い廃業いたします」
グループ名の変更を余儀なくされている「関ジャニ∞」は、ファンクラブのサイトに動画を公開しました。
横山裕さん(ファンクラブサイト公開動画より)
「いろいろね、(名前の)候補は僕らの中であるんですが、皆さんにちょっと相談したいというかね」
ファンと一緒にグループ名を決める意向を示しました。動画には、冗談を飛ばしあう場面もありました。
横山裕さん(ファンクラブサイト公開動画より)
「嵐2とかきてもな、困ります」
村上信五さん(ファンクラブサイト公開動画より)
「風とかね」
安田章大さん(ファンクラブサイト公開動画より)
「風もあかん」
村上信五さん(ファンクラブサイト公開動画より)
「長くおつきあいできるお名前を、お願いしていきたいと思います」
一方、会見では、個人やグループとのエージェント契約を基本とする新しい会社を1か月以内に設立するとしました。
東山紀之社長(57)
「この制度においては、すべてを会社にゆだねたり縛られたりすることなく、タレント自らがその活動の方向性に応じて自分自身で活躍の場を求めていくことになります」
この発表を受けて、所属タレントたちが相次いでコメントしました。
KinKi Kids 堂本光一さん(会員制のブログより)
「新たな一歩を踏み出す時です。これから新たな素晴らしい景色を皆さんと共に見られるよう、我々なりに答えを見つけたいと思っております」
Hey! Say! JUMP 山田涼介さん(会員制のブログより ※原文ママ)
「僕たちJUMPがどういう形で活動していくかは、話しがまとまった段階で、ファンの皆んなには共有していきたいと思っています。ファンの皆んなに幸あれ」
木村拓哉さんは、会見終了から約1時間後に更新したSNSで一言、「一歩ずつ、前に!」と綴りました。
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経済同友会の新浪代表幹事は、会見の内容を評価しました。
経済同友会 新浪剛史代表幹事
「まずは前進したと考えている」
――具体的にどこが前進した?
経済同友会 新浪剛史代表幹事
「2つに会社を分け、名前を変えたこと」
先月の、最初の会見のあとには、ジャニーズ事務所を痛烈に批判していました。
経済同友会 新浪剛史代表幹事(先月)
「真摯に反省しているのか、まず大変疑わしい」
これに呼応するかのように、元社長の性加害問題への対応について、企業などから厳しい目が向けられ、タレントのCM契約の見直しなどが相次いでいたのです。
2度目の会見で、企業の信頼を回復できたのでしょうか。
――ジャニーズタレントとの取引は?
経済同友会 新浪剛史代表幹事
「結論として、すぐ再開しますよ、というモードにはなっていません。私たちは、人権に対してはきちんと断固としたスタンスで臨んでいきたい」
被害者救済の対応やガバナンスについて、見届けていく必要があると話しました。
その新浪氏が社長を務めるサントリーホールディングスは3日、「再発防止や救済策が十分と判断できるまで契約満了をもって更新しない。補償や救済などの取り組みをみて判断する」と回答しています。
このほか、ジャニーズのタレントを起用する企業からは、次のような反応が出てきています。
日本航空(櫻井翔さんら起用)
「『ジャニーズタレントの広告起用を当面見送り』に変更はない」
日本マクドナルド(木村拓哉さんら起用)
「契約の満了後は更新しないという方針に変更はない」
コーセー(松本潤さんら起用)
「発表内容を前向きに受け止めているが、示された各施策の実効性が重要」
こうしたなか、“新たな契約方法”に踏み切る企業も出てきています。
洗濯用洗剤のCMなどで、ジャニーズ事務所に所属する生田斗真さんや菊池風磨さんら4人を起用しているP&Gジャパンは、事務所を介さないタレントとの“直接契約”に切り替えたことを明らかにしました。
P&Gジャパン
「弊社では同事務所との契約をすべて終了し、これまで同事務所を通じて契約していた 4名のタレントの方々と直接契約を締結致しました」
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ジャニーズのタレントが今後、活躍していくためにはどのようなことが必要なのか、「news zero」火曜日のパートナーを務める落合陽一さんに聞きました。
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「ジャニーズのタレントは何人か友達がいて、僕は相変わらず友達づきあいを続けていくと思いますが、CMを契約する企業の対応とは別の話です。起きた不祥事の大きさを考えれば、ある程度合理性があるなとすごく思うところはあります」
有働由美子キャスター
「そういうなかで、タレントが今後、活躍していくためにはどういうことが必要だと思いますか?」
落合さん
「ジャニーズだということがこれまでプラスになってきた面があるように、今後はジャニーズ出身ということがマイナスに働く期間がしばらく続くんだと思います。ただ、その時間が長いか短いかは、本人たちの努力次第だと思います」
有働キャスター
「新たなブランドをそれぞれが…」
落合さん
「確立できるかどうかですね」
(10月3日放送『news zero』より)