松本人志さん名誉毀損訴訟 文春側は「記事は真実」と反論 第1回口頭弁論はわずか5分で終了
ダウンタウンの松本人志さんが自身の性的行為に関する記事で名誉を傷つけられたとして、週刊文春側を訴えた裁判が28日から始まりました。第1回の口頭弁論はわずか5分で終了し、文春側は全面的に争う姿勢を示しました。
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28日朝、東京地裁にできた長い列。それは時間の経過とともにのびていき…
記者
「受付開始まで20分ほどあるのですが、敷地の外にまで列ができています」
目的は28日に開かれた“注目の裁判”です。
傍聴券を求めた人
「松本人志さんの裁判の傍聴券を取りに来ました。きょうは有給休暇いただきました。真実が明らかになればいいなと思っています」
「ネットで騒がれている本当のことを、やっぱり自分の耳で聞いて知りたいなと」
名誉を傷つけられたとして、週刊文春側を訴えたダウンタウンの松本人志さん。真実を知りたい、とわずか19の傍聴席に691人が集まりました。
ことの発端は去年12月の「週刊文春」に掲載された、松本さんの女性との性的行為に関する記事です。その内容について、松本さんは“事実無根”と否定。翌月には「裁判に注力したい」として芸能活動を休止し、5億5000万円の慰謝料などを求め、文藝春秋と編集長を提訴しました。
約2か月の沈黙の末、今週コメントを発表した松本さん。
松本さんの公式Xより
「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」
28日、午後2時半から行われた第1回口頭弁論。松本さん本人は姿を見せず、わずか5分で閉廷。「週刊文春」側は全面的に争う姿勢を示しました。
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今回の裁判の争点は“記事が真実だったか”または“真実だと信じる相当の理由があったか”という点です。
訴状によると、松本さん側は記事について次のように主張しました。
松本人志さん側
「客観的証拠は存在しないにもかかわらず、一方的な供述だけを取り上げて記事として掲載するという、極めてずさんな取材活動に基づくもの」
一方の「週刊文春」側は、答弁書によると…
週刊文春側
「複数回の取材を重ね、証言の具体性があるか、当時の状況と矛盾しないかなどを慎重に検討した」
“記事は真実”だと反論し、どの部分が事実に反するのか明確にするよう求めました。
28日、松本さん側は「特定の女性が誰か特定されないと認否できない」と主張しましたが、週刊文春側は「個人情報は回答できない」としています。
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閉廷後、取材に応じた松本さんの弁護士は「現段階で和解の兆候はない」と話しました。現在の松本さんについては「憔悴(しょうすい)した様子などはない」と説明し、今後、松本さんの本人尋問を行う可能性も高いとしています。ほかの後輩芸人についても、立証の必要があれば出廷を依頼するということです。
芸能界を揺るがした週刊誌報道を巡る裁判。次回は6月5日、非公開で審理が行われる予定です。