縄文土偶に“令和”もドキドキ…カプセルトイは完売 ゲームにも
今、縄文時代に作られた“土偶”が美術館などで人気となっています。カプセルトイやゲームにもなっているほか、土偶作りの教室も盛況だということです。数千年以上の時を超えて、何が人々を引きつけているのでしょうか。
◇
山梨県甲府市にある山梨県立美術館で、人々が写真を撮ったり、興味深そうに眺めたりしているのは、“縄文人”によって作られた数々の土偶です。
諸説ありますが、「安産」や「豊穣(ほうじょう)」を願って作られたとされる土偶が今、数千年以上の時をへて、「表情がかわいらしい」と“現代人”に人気になっています。
神奈川県からの来場者(10代)
「かわいいなって思いました」
来場者(50代)
「かわいらしいものとかね、表現豊かですね」
6日まで、山梨県の美術館で開催されていたのは、地元で発掘された土器や土偶、約60点などを展示した「縄文―JOMON―展」です。
2か月ほどの開催で約2万人が訪れ、物販ブースでは、完売商品がでるほどの盛況ぶりでした。土偶を作る体験教室も開かれました。
母
「(子どもは)縄文オタクなんで。ギャグみたいなんですけど、胸が“土器・土器”なんです」
土偶の魅力について山梨県立美術館の平林彰学芸員は、「造形的な美しさ、面白さ、かわいさ…理屈なしに鑑賞できるのが魅力の一つかと思います」と話しました。
◇
人気の高まりは、土偶を常設展示している、山梨県笛吹市の「釈迦堂遺跡博物館」でも感じられるといいます。
特に人気なのが、今年4月から販売を始めた、リアルな土偶の“カプセルトイ”です。
釈迦堂遺跡博物館 一瀬一浩・学芸員
「見込みをはるかに超える売れ行きでございます」
1日で売り切れてしまうこともあるということです。
◇
東京・豊島区にあるおもちゃ会社「Qualia」では、デフォルメされた土偶のぬいぐるみを販売しています。
Qualia 小川勇矢代表取締役
「1か月くらいの期間で、5万個は完売していると思いますね」
今年、カプセルトイとして売り出しましたが、すぐに完売。再販を希望する声も多く届いているということです。
◇
突如として人気が高まった土偶。なぜ、今になってなのでしょうか。
三内丸山遺跡などがある、青森県の担当者は――
青森県観光企画課 三上悠維さん
「世界遺産に登録されて、少しずつ注目されるようになってきて」
去年、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に決まってから、土偶人気が“ジワジワときている”といいます。そこで、パソコンやスマホで遊べるゲームを開発しました。
青森県観光企画課 三上悠維さん
「『板状土偶』を使って、神経衰弱のゲームを作りました」
土偶の写真を使った神経衰弱で、コンピューターと対戦するのですが、ネット上では、「勝てる気がしない」と言われるほどの高難度になっています。
大学時代に日本の考古学を専攻していた番組スタッフが挑戦しましたが、似た形の土偶が多すぎて苦戦…。結果は、18対8と完敗し、「勝てる気がしません」とこぼしました。
担当者は、「このゲームきっかけに、遺跡や土偶に興味を持ってほしい」ということです。