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「プベルル酸」どこから? “紅麹”サプリ摂取の男性「不安しかない」

2024年4月1日 22:42
「プベルル酸」どこから? “紅麹”サプリ摂取の男性「不安しかない」

小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントでの健康被害は、海外にも広がっています。サプリメントを摂取していた男性は違和感があったといいます。

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この春、グループ会社を含めて、81人が入社した小林製薬。4月1日に予定されていた入社式は行われませんでした。小林製薬の「紅麹」問題では、腎疾患などでこれまでに5人が亡くなり、114人が入院しています。

紅麹コレステヘルプを摂取した50代男性(富山・魚津市、1日)
「亡くなった方が5人も出ていて、それと同じ物を飲んでいたので、やはり心配」

回収を命じる行政処分が出ている「紅麹コレステレヘルプ」。男性はこれを、健康診断に備えて去年12月から2月にかけ、約40粒摂取したと話します。

紅麹コレステヘルプを摂取した50代男性
「じんましんみたいなのができた。赤みが出て、かゆくてかきむしったら血が出るくらいに。体がだるい。倦怠(けんたい)感がずっと続いていた。一番心配なのは腎臓の被害」

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健康被害の原因とみられるのは、想定しない“未知の成分”です。その可能性が高いのが「プベルル酸」です。

小林製薬・ヘルスケア事業部 梶田恵介食品カテゴリー長
「合致性が高い成分がプベルル酸」

「プベルル酸」は、青カビから生成される天然化合物です。細菌の増殖を抑える抗菌作用を持ちますが、毒性が非常に高いといいます。腎臓に与える影響については、まだ分かっていません。

小林製薬・製造本部 山下健司本部長
「弱いながらも青カビからの生成の可能性があるところまで認識。カビが入るところがないか、いま製造ライン全てにおいて総点検している」

和歌山・紀の川市にある小林製薬の子会社の工場には3月31日に、大阪工場には3月30日に厚生労働省が検査に入っています。大阪工場は去年12月まで稼働していました。

去年4月から10月に作られた「紅麹」製品から確認されている「プベルル酸」。どの段階で、どうやってできたのか。

東京大学 唐木英明名誉教授
「培養現場に青カビが入り込んで、その青カビがプベルル酸を作った。なぜ紅麹カビの培養現場に青カビが入り込んだのか、経路は4つぐらい考えられる」

食品安全に詳しい唐木名誉教授が挙げたのは「4つの説」です。

1. 米などの原材料に付着していた説
2. 従業員の体に付着、もしくは故意に持ち込まれた説
3. 小動物や虫が持ち込んだ説
4. 外の空気が培養室に流れ込んだ説

1から3については、加熱での死滅や厳重管理などの点から、可能性が低いといいます。

東京大学 唐木英明名誉教授
「4つの可能性のうち、あえてひとつを選ぶとしたら、何か空気の流れで(青カビの)胞子が入り込んだのが、一番考えやすいのではないか」

一連の「紅麹」問題では、台湾でも小林製薬の紅麹原料を使ったサプリメントを摂取していた人が急性腎不全や 慢性の腎臓病と診断されています。台湾メディアは、これまでに6人から体調不良などの報告が寄せられていると報じています。