刑事告訴された町長 告訴した隣の市長を刑事告訴へ「私を犯罪者に仕立てようと」
隣り合う自治体同士が、互いの首長を告訴する異例の事態です。建設中のごみ処理施設の情報開示をめぐり圧力をかけたとして、福岡県田川市に刑事告訴された隣の大任町の町長が、逆に田川市長などを刑事告訴する考えを明らかにしました。
■大任町・永原譲二町長
「圧力はかけた覚えは一切ありません。うちの弁護士も全部精査して、これは強要未遂罪には当たらない、だから徹底してやりますよと話になっています。」
29日、大任町の永原譲二町長は改めて、圧力をかけたことを否定しました。
この問題は、大任町で建設が進められている田川地区の広域ごみ処理施設の情報開示をめぐり、永原町長から圧力があったと、田川市の村上卓哉市長が訴えているものです。
■大任町・永原町長(音声提供:田川市)
「俺は約束通り、信義に基づいて出しなさんなっち言うよるだけ。それを出したらお前、今後、すべての行政、全部破綻するよ、信頼関係なくなるよ。いいんかち、それでね。」
この件について田川市は9月、強要未遂の疑いで永原町長を刑事告訴しました。
これを受け大任町では、29日午前、非公開で全員協議会が開催され、永原町長は町議に対し、田川市の村上市長と、同様の告発をした市議7人を刑事告訴する考えを説明したということです。
10月中に虚偽告訴の容疑で、福岡地方検察庁に告訴状を提出する方向で調整しています。
■永原町長
「全員、分かった、徹底してやれと、先ほど議員の皆さまから意見を聞きました。私を印象操作しながら犯罪者に仕立てようとしている意図を感じるから、大任町としてはしっかりと、これに対抗していく。」
しかし、全員協議会に出席した一部の議員からは、告訴に反対する声もありました。
■次谷隆澄町議
「議長からは賛成・反対を聞くことはなかった。私は告訴することに反対です。セクハラ・パワハラの問題と一緒で、受けた本人の受け方次第だと思う。」
大任町からの告訴の方針を受け、田川市の村上市長は「詳しい内容が分からないためコメントしようがない」としています。