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「戦争の犠牲者は大人だけでない」 疎開中の小学生を襲った悲劇 つるぎ町で十六地蔵尊法要【徳島】

2025年1月29日 18:29
「戦争の犠牲者は大人だけでない」 疎開中の小学生を襲った悲劇    つるぎ町で十六地蔵尊法要【徳島】
太平洋戦争末期、徳島県つるぎ町貞光の真光寺には大阪市の南恩加島小学校から男子児童29人が集団疎開していました。

しかし、1945年1月29日午後9時ごろ、本堂が突然の火事に見舞われ、逃げ遅れた児童16人が亡くなりました。

この痛ましい出来事と戦争の悲惨さを語り継ごうと火事の翌年、境内に十六地蔵が建てられ毎年、法要が営まれています。

悲劇から80年目の29日、地元の住民や貞光小学校の児童ら約200人が真光寺を訪れ亡くなった子供たちの冥福を祈りました。

法要の後、貞光小学校と大阪・南恩加島小学校の交流会がオンラインで行われ火事で助かった長尾章治さんが当時の様子を語りました。

(長尾章治さん)
「寝てる布団までも火がついてて、みんなもう誰かわからない勢いでわれ先に逃げた。今 思ったら、なぜあの時、隣で寝てた子を助けなかったのか、起こさなかったのか、いまだに思い出すし、後悔している戦争の犠牲者は大人だけでなくて、我々こどもまでがそれに巻き込まれる。人と争わないで仲良くしていかんとあかんという気持ち」

(南恩加島小学校の児童)
「平和への想いがひしひしと伝わってきました。改めて2度と戦争はしてはいけないと感じた。ありがとうございました」

(貞光小学校6年の児童)
「体験談を聞いて、亡くなってしまった16人の子どもたちは本当に怖かったんだろうなと思いました。今は日本は平和だけど、他の国は戦争が続いている。それがなくなって、世界中のみんなが平和で楽しい世界を作り上げたいと思います」

(貞光小学校6年の児童)
「今は普通に暮らせているけど、昔はそうじゃなかったと思って、戦争は絶対にしてはいけないことだと思いました。両方の学校が戦争について学んでいくことが、これからも続いていけたらいいなと思いました」

子どもたちは、80年前の貴重な体験談を通じて、平和への誓いを新たにしていました。

最終更新日:2025年1月29日 20:36
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