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地震後客足戻らず 新湊地区の食品スーパー閉店…高齢者「頼りにしていた」

2024年1月29日 19:17
地震後客足戻らず 新湊地区の食品スーパー閉店…高齢者「頼りにしていた」
能登半島地震のつめ跡は市民生活に深く及ぼしています。射水市で、50年もの間営業を続けてきた食品スーパーが、地震後の売り上げ減少などから閉店し、店を生活の拠り所としていた人たちから不安の声が上がっています。梅本記者のリポートです。

1月26日に閉店した射水市のスーパーマーケット、カモン食品館です。新湊地域の街なかで1973年にオープンした前身の量販店から始まり、半世紀にわたって住民の生活を支えてきました。営業最終日、多くの買い物客が訪れ閉店を惜しんでいました。

店員
「うん、寂しくなるね、ほんとや、元気でおってくださいねえ」

記者
「毎日利用されとった?」


「毎日、毎日。大事な所ですよ、ここしか来るとこないもん」


「近くにスーパーないもんで、ここが頼りにしとったもんで、やっぱり寂しいですねえ」

食品館が入る施設に、地震による大きな被害はありませんでしたが地震後の客足は戻らず、1月上旬の売り上げは、去年の同じ時期と比べて4割減りました。民間の信用調査会社、帝国データバンク富山支店によりますと、施設の運営会社が1月22日に資金繰りに行き詰まり、自己破産申請の準備に入りました。負債総額はおよそ3億300万円とみられています。

施設を運営する新湊商業開発 宮林正仁郎代表
「もともと苦しい経営を続けていたので、その最後のとどめをさされたというのが、それ(地震)だっちゅうだけで。力尽きたというところです、申し訳ないですほんとに」

施設がある新湊地域の市街地は、高齢化率が4割を超えています。おもな客層だった地元の高齢者の間では、近場で買い物をするところがなくなることへの不安が広がっています。


「自動車乗れんもんだから、弱ったな(困ったな)と思っとるがです」

記者
「ここだったら歩いて来れた?」

「歩いて来れてます」

地域ではコミュニティバスが自家用車を運転しない高齢者らの足となっていますが、街なかの店舗の閉店に伴い、バス停の位置の見直しを求める声が出ています。


「雪とか雨が降った時に、年寄りに何百メートルも歩けといっても無理。バスがあるんだけども、店の前で停まってもらわないと、路線を変えてもらわないと」

市は今後、バス停の位置の見直しやデマンド交通の導入などを検討し、利便性の向上を図りたいとしています。

施設によりますと、入居する内科医院や託児施設の今後については検討中だということです。人口減少と高齢化が進む地方社会での地震による影響について注意していく必要があります。
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