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一歩ずつ…輪島朝市でなりわい再開へ 砺波で再起期す女性に密着

2024年3月28日 19:41
一歩ずつ…輪島朝市でなりわい再開へ 砺波で再起期す女性に密着
能登半島地震で深刻な被害を受けた輪島市で水産加工物の販売をしていた女性が、砺波市で知人の協力を得ながら出荷作業を続けています。

輪島の朝市でなりわいを再開させるため、歩みを進める姿を取材しました。

金沢市の金石港です。

被災した輪島の復興と朝市の出店者の生活を守るため、3月23日に「出張輪島朝市」が開かれました。


「ありがとう、頑張ってね」

南谷良枝さん
「ありがとうございます。またよろしくお願いします」

輪島市で鮮魚や加工品を販売し、30年近く朝市通りに立ち続けてきた南谷良枝さんです。

南谷良枝さん
「ここの前に店を出してました」

軒先を借りていた工芸品店が元日の能登半島地震で倒壊し、南谷さんの倉庫につながる通路が塞がれたため、商売道具が出せなくなりました。

別の場所にある加工場も被災し、保管していた商品や、祖母の代から受け継いできた“いしる”などの調味料もほとんどを失いました。

南谷良枝さん
「つらいですよね、つらすぎますよね。本当に苦労して作り上げてきたものなので。一緒に作ってくれた家族にも申し訳ないし、心待ちにしてくれたお客さんもたくさんいるので」

南谷良枝さん
「おはようございます」
3月初旬、砺波市の水産加工場に南谷さんの姿がありました。

進めていたのは、インターネット通販を通じて注文が入った商品の発送作業です。

協力の手を差し伸べてくれたのは、中学校時代の同級生でした。

道上嘉治さん
「震災あった時に声をかけて、『こっちで何か作ったりしたらどうや』って」

南谷さんが再起の第一歩として目指したのが「出張輪島朝市」への出店。

看板商品となるイカの塩辛などを親子3人でつくりました。

「えいえいおー!」

そして迎えた当日。

あいにくの雨となりましたが、県内外から多くの人が訪れ、用意した商品は飛ぶように売れました。

南谷良枝さん
「あーうれしい、来てよかった!」

知り合いとの久々の再会も。

道上さんも砺波から店の手伝いに駆け付けました。

道上さん
「おい完売やぞ」

南谷さん
「完売?終わった?」

道上さん
「焼肉(でお祝い)やぞ、あと」

南谷さん
「わー、ありがとう」

道上さん「ありがとうじゃねぇだろ」

南谷さん
「おかげさまでここまで来ることができました。本当に感謝でいっぱいです。まだ輪島で荷造り・発送ができないので、また富山の方に行ってお世話になると思います」
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