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被災の高齢化集落 どうする暮らし 氷見市姿地区

2024年2月1日 19:50
被災の高齢化集落 どうする暮らし 氷見市姿地区
氷見市北部の姿地区でも、住宅などに大きな被害が出ました。地震の後、集落を離れることを決めた世帯もあり、暮らしを立て直せるかが課題となっています。梅本記者がお伝えします。

先月30日、集落の家々の屋根には、多くに雪や雨をしのぐシートがかかっていました。激しく壊れた建物もそのままの姿です。集落にある家屋や納屋など175棟のうち、立ち入り危険を示す「赤色判定」は68棟にのぼっています。

梅本晃弘記者
「こちらでは、崩れた建物が道路をふさいでいて、あちらに住宅があるんですけど、通れない状態になっています。そして、崩れてしまった建物からは、生活道具が見えます。ここ姿集落では、このような崩れてしまった建物というのが至る所にあるんですけども、地震の怖さというものを感じずにはいられません」

集落の高台にある長福寺は、今回の地震で住民が津波からの避難で集まるなど地域の拠り所となってきました。本堂は壁が崩れて使えず、鐘撞堂も柱が土台から外れて鐘をつくことができなくなりました。

北鹿渡文照住職
「この鐘は朝6時に鳴るんです。村の方がたにとっては生活の一部になっているんですよね」

およそ60世帯ある集落は、高齢化率が5割を超えています。今回の地震を受け、すでに12世帯が集落を離れて暮らすことを決めたということです。住職の北鹿渡さんは、一気に過疎化が進むことを危惧しています。

北鹿渡文照住職
「また同じような地震が来たら、もしも建て直したとして何年住めるんだ、高齢者ですから。後ろ髪ひかれるような思いで、この村を去っていかれる」

地震の後、行政が設けた避難所は姿地区から離れていたため、集落では自主避難所を設けました。今も4世帯の5人が身を寄せています。二次避難先は決まりましたが、引っ越しなどの見通しがまだ立っていない人もいて、避難所は当面継続されます。

姿地区では、今から17年前、2007年の能登半島地震でも住宅に被害が出ました。住み慣れた集落で生活を続けるにはどうすればよいのか。区長の山本譲治さんは思いをめぐらせています。

山本譲治区長
「2007年の時と今回の地震は、だいたい同じ場所で、被害が多かったんですね、その人たちを(そこに住む人たちを)高台に移すとか、姿の地盤の固い所に、そこに家を土地を提供してもらって、そこに家を建てたりとか、そういうのもアリでないかなと思ってるんですけど」

集落再建の取り組みには、行政との連携が欠かせません。高齢化が進む中でどう暮らしを守るのか。模索は始まったばかりです。
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