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富山湾で異変「万葉かれい」も不漁 1か月遅れで初競り 射水市

2024年6月6日 12:00
富山湾で異変「万葉かれい」も不漁 1か月遅れで初競り 射水市
富山湾で異変が続いています。射水市新湊沖でとれるブランド「万葉かれい」もベニズワイガニやシロエビと同様、2024年は記録的な不漁となっていることが分かりました。

カレイ全体の漁獲は例年の10分の1以下で、関係者は能登半島地震による海底の変化が影響しているのではないかと懸念しています。

肉厚でうま味が強いのが特徴の「万葉(まんよう)かれい」。新湊沖でとれたマコガレイのうち、重さが400グラム以上で、水揚げのあと2日間、水槽に入れて泥を吐かせるなど基準を満たした魚です。

6日朝、新湊漁港では例年より1か月ほど遅れて初競りが行われました。遅れた理由は…

沿岸漁業研究会 東海勝久さん
「例年からみるとかなり少なくて、一度に獲れる量でいうと10分の1以下。1枚もかからない日も今でもある」

記録的な不漁のため、これまで初競りが行えなかったのです。

漁は4月末から続いていますが、関係者は「ブランド化された2012年以降でこんなにとれないのは初めて」と困惑しています。

漁師の東海さんは、能登半島地震による海底地すべりで、カレイが住む環境が変わった可能性があるのではないかと考えています。

沿岸漁業研究会 東海勝久さん
「『根掛かり』といって網が引っ掛かる場所もあったんで、正直行きたい(漁場)に行けてない」

富山湾で異変が続いています。2024年、記録的な不漁となっているベニズワイガニは5月も県内でとれた量はおよそ29トンで、平年の7割にとどまりました。

スルメイカ、フグ類の漁獲量も平年の6割となっていて、アジは平年の3割にまで落ち込んでいます。

一方、フクラギとサワラは平年の2倍にまで増えていて、豊漁と不漁で極端な異変がみられます。

また、新湊漁港で豊漁となっているのはヒラメです。不漁となっているカレイとよく似た魚ですが、生態の違いを考えると、地震の影響を考えずにはいられないと東海さんは話します。

沿岸漁業研究会 東海勝久さん
「ヒラメは餌を追いかけてようけおった。ただカレイは土の中のゴカイとかを餌にする。で、土に近いところにいるから地震の影響で(漁獲量が)よくないのかなと」

6日朝、競りにかけられたのは、漁場(ぎょじょう)を変えるなどしてようやくとれた万葉かれいが23匹。

数は少ないものの分厚いカレイが揃い、中でも長さおよそ40センチ、重さ900グラムの大物は10万1000円と、史上最高値で競り落とされました。

万葉かれいは7月にかけて旬を迎え、県内の料理店などに出荷されます。
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