富山県が計画 3つの大型施設の現状
富山県は現在、3つの大型施設の整備計画を進めています。「新川こども施設」の建設計画の経緯と他の施設の現状について、小丸記者がお伝えします。
新田知事は2023年、新川こども施設の整備について、次のように話しました。
新田知事
「いろんな運営の仕方、子どもたちがワクワクするような、毎週週替わりでいろんなソフトなメニューが提供できるような民間のノウハウを、私たち役人がやるよりも、とってもワクワクするようなノウハウを発揮していただきやすい状況ができるんだと思います」
「新川こども施設」では、民間企業が基本設計から建設、運営までを一括で行うPFIを導入すると発表しました。民間の資金や経営ノウハウを活用することで、県の財政負担を抑えるのが狙いで、基本設計からのPFIの導入は、県としては初めてです。
民間のノウハウを活用する姿勢は、民間出身の新田知事の独自色のひとつです。
そもそも新川こども施設の建設は、新田知事の就任前に計画されました。前の石井知事の時代に、県が整備する3つの大型施設として、富山市の県武道館、高岡市の高岡テクノドーム別館、そして魚津市の新川こども施設が計画されました。いずれも建設費が数十億円規模の大型施設です。
しかし整備をめぐっては紆余曲折が続きました。
県武道館は、当初は2023年夏に完成する予定でしたが、計画を引き継いだ新田知事が民間活力の導入を検討している間に、ウクライナ危機などにより建設資材などが高騰。整備費が当初の計画より23億円膨らむ見通しとなったことから、建設場所は変更され、設計も機能を武道に特化することに。規模を縮小することでほぼ当初の事業費に押さえている状況です。2027年度中の開館を目指しています。
また、高岡テクノドーム別館についても、民間活力の導入の検討などをしている間に建設費がおよそ20億円、上振れし、入札不調となる事態に。県は整備内容を再検討し、床面積を1割削減する案などを示しています。
25日に概要が発表された新川こども施設は、基本設計からのPFI導入で、財政負担がおよそ1億8000万円軽減される試算です。それでも当初24億円から28億円としていた整備費は資材高騰などでやはり上振れし、運営管理を除く予定価格はおよそ34億円となっています。
新田知事
「物価が高騰している、それから人件費が高騰している中で、落札までこぎつけることができたことは大変ありがたいと思っています。必ずや、県民の皆様の期待に応えることができる施設になると思います」
新川こども施設は、3年後の2027年8月のオープンを予定しています。