“再び間借り”して酒造り 被災した珠洲の酒蔵 再建にめど立ち「未来につなげる酒造り」
珠洲市にある櫻田酒造の4代目櫻田博克さん。白山市で今シーズンの酒造りを行っています。
櫻田酒造4代目・櫻田 博克 さん:
「香りもこうやって嗅ぐと甘いいい香りがする、それがいい感じです。泡もきめ細かくて、これは美味しいお酒になるなと確信しているところです」
珠洲市蛸島町で大正時代に創業した櫻田酒造。家族経営の小さな酒蔵で、「初桜」や「大慶」といった銘柄は、地元で長く愛されてきました。
しかし、能登半島地震で酒蔵や店舗兼住宅は全壊しました。
櫻田酒造4代目・櫻田 博克 さん:
「もう商売も終わったなと思いましたね、そのときは」
そこに手を差し伸べてくれたのが白山市の車多酒造です。30年来の友人である社長を頼って、去年から共同醸造という形で能登の酒造りをつないできました。
車多酒造 杜氏・岡田 謙治 さん:
「櫻田さんが思ってる酒造りの情熱とか思いがひしひしと伝わってきて、うちにはない酒の醸造の仕方とか、それはすごく勉強になります」
ことしは震災2年目。2月から再び車多酒造の蔵を間借りして今シーズンの酒造りを行っていて、3月中旬には新酒が完成します。
櫻田酒造4代目・櫻田 博克 さん:
「復興のめどといいますか計画進めて参りまして、希望に満ちたといったらちょっと大げさかもしれませんが、未来につなげるための酒造りということで」
いまは更地となった櫻田酒造。同じ場所に再び蔵を再建するめどがたち、年内の着工を目指しています。
櫻田酒造4代目・櫻田 博克 さん:
「ハードルたくさんあるんですけど、少しずつ乗り越えて、みなさん待っててくれればありがたいですね」