家庭に眠ったお宝を救え! 被災地の文化財レスキュー
地震で被災した住宅の片付けが進められる中で「家庭で眠る文化財」が捨てられる懸念が高まっています。
石川県では、そうした文化財を保護しようという取り組みが始まっています。
この日、市民からの情報に基づき、七尾市の文化財保護の担当者が代々続く家の土蔵の調査へ向かいました。
築100年を超える土蔵は元日の地震によって屋根が壊れ、傾いてしまい、解体を予定しています。
「昭和30年ですね」
「屏風ですね。金屏風…お祝い事に使ってたのかな」
土蔵の中からは江戸時代から昭和に至るまで様々な文化財が出てきました。
過去の災害では、家庭に眠る文化財や美術品など、貴重な歴史の証人が災害廃棄物として捨てられていたことが明らかになっています。
今月5日、七尾市富岡町の西宮神社でがれきの下から神輿が運び出されました。
地域の秋祭りを盛り上げてきた神輿とともに、昔の神輿の一部とみられる木の枠組みが発見され、天保7年の文字が確認されました。
江戸時代後期のものと見られ文化財として七尾市が調査に乗り出しました。
能登の自治体の担当者などは「文化財レスキュー」と呼んで、こうした神社だけでなく家庭に眠る古くからの生活用品や農業用品、古文書などの救出や保護に取り組んでいます。
「こちらが今回の地震後にご家庭で納屋の2階にあった資料になるんですけど・・・」
藁で作られた蓑や掃除機、炊飯器などそれぞれの時代の庶民の生活が分かる品々は一般の家庭などで発見、保護されたものです。
のと里山里海ミュージアム 床坊睦美 学芸員:
「言葉で伝えるということは出来ますけど視覚的な伝えられるもののひとつとしてこういう道具類が残っているのと、ないのとでは違いますし」
過去には屏風の裏から貴重な古文書が見つかったこともあったということです。
のと里山里海ミュージアム 床坊睦美 学芸員:
「皆さん大変な中お家の片づけとかもされているとは思いますので」
「地域の資料として活用できるってこともございますのでお申し出いただけれるとありがたいです。」
被災地の自治体の担当者は、古い家や土蔵などを片づける場合、貴重な品がないか確認することもできるので事前に連絡してほしいと呼びかけています。
保護された文化財は調査や修復を行った上で、能登里山ミュージアムでの展示を検討しているということです。