被災で能登の消雪装置9割が稼働せず "最強寒波"に除雪車フル稼働 最新システムで危険回避
今回、石川県に降った大雪で、被災地では、消雪装置が稼働しないという課題も浮き彫りになりました。そんな中、奥能登では交通の確保に向け、除雪車がフル稼働していました。
2月6日、内灘町では…
野中 千聖 記者:
「こちらの場所では水が出ていて、道路が完全に見えている状況ですが、少し行きますと装置が止まっていまして、まだ少し雪が残っている状況です」
去年の地震で甚大な液状化被害を受けた内灘町。水道管が破損し、いまも西荒屋地区や町役場周辺の消雪装置は稼働していません。こちらの住宅近くでは、道路の端から雪を溶かすための水が出るはずですが…
内灘町の住民:
「地震の影響で水が出なくて」
設備は止まったまま…
内灘町の住民:
「私はいつもバスで仕事に行って、そこにバス停あるんですけども、歩きにくいなとは思っているんです」
道路脇の雪が溶けず、残ったままになっていました。
消雪設備が復旧しない中、対応に追われているのが…
山下 実々 記者:
「午前4時、輪島市内の除雪車が出動しました」
交通の確保へ、石川県内各地でフル稼働だった除雪車です。
能登では、消雪装置の9割が地震の影響で使えず、再開のめども立っていません。
その除雪体制の強化を後押ししているのが、GPSを活用した音声ガイダンスです。
地震の影響でできた路面の段差や、道路に突き出したままになっているマンホールなど、障害物に近づくと音声で知らせてくれます。
実際に、道路を走っていると…
音声案内:
「消雪パイプがあります。消雪パイプがあります。消雪パイプがあります」
除雪作業員は:
「消雪パイプとかがあった場合に、スピード緩めたり注意しますね」
去年の冬まで石川県内で11台だったこの音声ガイダンス。この冬、奥能登を重点に22台が追加で導入されました。
加州建設・城之前 未来 さん:
「融雪装置がなかったら雪が溶けていないので、その分また作業量も増えますので、大変になります。このシステムを活用することで、今後より一層、安全に除雪できるようになっていけたらと思っております」
安全に作業できるようになったものの、消雪装置が動いていない分、除雪の範囲も増え、被災地では作業員の数を増やすなどの対応が迫られています。
いかに安全に、そして迅速に被災地の交通を確保するか…
震災の爪痕が残る中で、危険を伴いながら、懸命に除雪作業が続けられています。