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屋外プールがピンチ!消える子供たちの遊び場 5年連続で休園中の七ツ島サンライフプール 鹿児島県立公園のレジャープールも2年連続で休園

2024年8月17日 12:54
屋外プールがピンチ!消える子供たちの遊び場 5年連続で休園中の七ツ島サンライフプール 鹿児島県立公園のレジャープールも2年連続で休園
休園中の七ツ島サンライフプール
鹿児島市七ツ島のサンライフプールは5年連続で休園中。鹿児島県立の吹上浜海浜公園レジャープールも2年連続で休園しています。子供たちの遊び場消えつつあります。なぜなのでしょうか?取材しました。
番組に1通のメールが届きました。

(視聴者)
七ツ島サンライフプールが今年も休園された事への疑問や不満を感じます。遊び場所が少ない鹿児島の子ども達にとっては大切な場所だと思います」

鹿児島市七ツ島のサンライフプールの休園は今年で5年目。一体、なぜか?屋外プールの休園に関する疑問の声でした。

(内田直之キャスター)
「濁ってますね。プールサイドには雑草が生い茂ってます。寂しいな。これは」

一方、鹿児島県立の吹上浜海浜公園のレジャープールも2年連続で休園しています。思わぬ理由がありました。屋外プールが今、危機に直面しています。どうすれば再開できるのでしょうか?県の担当者に迫りました。

■5年連続で休園 家族の憩いの場がなぜ?

鹿児島市七ツ島のサンライフプール。

(内田直之キャスター)
「以前は子どもたちの声で賑わっていた七ツ島サンライフプールですが、今年も休園です。このように新型コロナウイルスの影響で最初に休園した2020年の貼り紙がいまだに残された状態になっています」

5年連続で休園中のプール。時計の針は止まったままの状態です。開園中は路線バスの臨時便が走っていましたが現在は1日2便しかとまりません。

■施設の老朽化に赤字経営…やむにやまれぬ事情も

1982年に完成したサンライフプール。2005年から管理する興南プロパティによると「施設の老朽化が進んでメンテナンス用の部品がない」ことが休園の理由だということです。会社の社長によるとプールの経営は厳しく毎年、数百万円規模の赤字を出しながら営業していたそうです。屋外プールの運営には、費用だけでなく人手もかかるようです。今、屋外のプールが危機に直面しています。

■“驚きの理由”で鹿児島県立の屋外プールも2年連続の休園

南さつま市にある鹿児島県立吹上浜海浜公園もその1つです。広大な公園は鹿児島県地域振興公社が管理します。公園の中央にあるレジャープールは去年から休園しています。特別に入らせてもらいました。

(内田直之キャスター)
「泥が少し溜まっていてプールサイドも雑草が生えている状態。寂しい感じはしますけど。致し方ない状態ということですかね」

■“人間性回復の場” 吹上浜海浜公園のレジャープール

(鹿児島県政フィルム)
「豊かな自然の中に整備された吹上浜海浜公園。人間性回復の場として多くの県民に利用されています」

公園が完成したのは1986年。翌年にプールができました。鹿児島県政フィルムでは「人間性回復の場」、家族の憩いの場として紹介されていました。1日1000人以上が利用する日もあり、滑り台は子どもたちに人気でした。新型コロナの影響で2020年は休園。それ以降、期間や人数を制限しながら開園しました。しかし、去年、これまでにない特別な理由で休園を迫られました。

■“人手不足”の波が押し寄せる屋外プール

水質を管理する機械室を見せてもらいました。

(内田直之キャスター)
「これは何をする機械ですか?」

(鹿児島県地域振興公社公園管理部・鳥淵剛部長)
「こちらは水をろ過する装置になると思うが。機械の詳しい所は大変申し訳ございません。私どもは説明できません」

実はプールの管理は鹿児島県地域振興公社から委託された専門の業者が行ってきました。この専門業者が去年から確保できず開園できない状態に陥ったというのです。

毎年、遊びに来ていた家族は。

(父親)
「いつも自転車に乗ってからプールに行くという流れだった。子供のためにやって欲しいですよね」

(息子)
「楽しかった。浮き輪で遊んだり滑り台とか」

一方でこんな声も。

(母親)
「残念ですけど今、日が強くて屋外より屋内の方が安心というのがある。そういう傾向なのかな」

屋外プールを敬遠する声も聞かれました。

■県の担当課を直撃!なぜ専門業者が確保できない⁉

鹿児島県立公園の管理を担当する県の都市計画課を訪ねました。ないごて⁉(なぜ⁉)専門の業者が確保できないのでしょうか?

(内田直之キャスター)
「急に去年からできなくなった。業者の人がいなくなった。どういう理由が考えられますか?」

(鹿児島県都市計画課・上室健課長)
「専門業者へのヒアリングでは新型コロナの影響で業務体制の見直し、人員削減などもあり、夏場だけの短期間の配置が非常に困難な状況だということ」

「コロナ禍による人手不足」が原因でした。今年は県内外あわせて17の専門業者に見積もりを依頼しましたが業者が見つかりませんでした。専門業者は開園中、2、3人を常駐させて水質の管理などを行います。専門業者は入札で選ばれますが水質を測る機器を扱う経験が2年以上ある事などが条件です。つまり、経験者がいなければ入札に参加できません。

■新規業者が入札に参加できない仕組み 見直すべきでは?

(内田直之キャスター)
「入札業者の基準を見直して新規参入の業者が手をあげられる状況を作っていく考えはありますか?」  

(鹿児島県都市計画課・上室健課長)
「あの…今の所はですね。プール利用者の安全面、衛生面が第一だと考えている。基準を下げる所は考えていません」

専門業者との契約は、毎年、準備期間も含めて約2か月で300万円程度だったそうです。

(内田直之キャスター)
「今後、業者が見つからない状況が続くのであれば、約300万円の再委託料を見直すという選択肢もありますか?」

(鹿児島県都市計画課・上室健課長)
「そうですね…可能性としてはあるかと思います」

■民間企業の力を活用した“Park-PFI”導入も検討

吹上浜海浜公園のレジャープールでは、去年から開園できない代わりにボートなどで遊べるイベントを行っています。泳ぐことを前提にしていないイベントなので水質管理の専門業者は必要ないそうです。また、今月20日ごろからは民間企業がスライダーなどを設置する予定です。民間の力を活用し集客して収益を整備費などにあてるパークPFIの導入を検討しているということです。

■維持管理に「人手」と「費用」がかかる屋外プール 今後は…

(内田直之キャスター)
「吹上浜海浜公園のプールは専門業者と協議を続けて来年は開園を目指すそうですが現実問題、かなり難しそうです。一方で、これだけ危険な暑さが続く中、屋外より屋内の方が安心だという声も多く聞かれました。県立公園の屋外プールの需要がどれだけあるか?今後は、費用対効果の冷静な見極めも必要になってくるかもしれません」(KYT news every.かごしま 特集「ないごて⁉」2024年8月6日放送)

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