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【そもそも.】『住民投票ってなあに?』“議会制民主主義”を補完できる可能性あり

2024年9月6日 19:45
【そもそも.】『住民投票ってなあに?』“議会制民主主義”を補完できる可能性あり

最近耳にする新しい言葉、なかなか深くは知らない言葉〝そもそも〟からお伝えしていく「そもそも.」。今回テーマは『住民投票ってなあに?』。

街の人に、『住民投票』について聞いてみた。

Q)『住民投票』って聞いたことありますか?
女性2人組「ないです」
男性2人組「聞いたことはあるけど、どういう仕組みか分からない」
     「住民に賛同するか?意見を募るみたいなことかな」
男性「政策などに対して、住民に問う。そんな感じかな」
女性2人組「聞いたことある。どうにか盛り上げたい時に、非常手段で使うイメージ」 

総務省行政課の南谷さんに伺った。
『住民投票』を一言で表すなら、〝個々の政策などについて住民が投票により意思を表明するもの〟。
個々の政策に対し、賛否を直接示すというのが最大の特徴だ。

過去の事例で言うと、沖縄県では「日米地位協定の見直し」などアメリカ軍に関連した題材で度々行われ、大阪市では行政の枠組みを大きく変えようという「大阪都構想」の可否について、2015年と2020年の2度実施されている。

節目節目で登場するワードというイメージのある『住民投票』だが、大きく2つの種類に分けられるそうだ。

1つ目が「拘束的住民投票」、2つ目が「諮問的住民投票」。
響きが難しいが、中身はシンプル。
要は、法的な拘束力が有るか、無いか。

法的な拘束力が発生するものの例をいくつか挙げると、例えば議員や市長など自治体の長の解職、市町村合併に伴う合併協議会の設置などが、例に挙げられる。

今回の宮城・大郷町のケースは、法的拘束力が無い「諮問的住民投票」に分類される。
この「諮問的住民投票」に絞って見ていく。

まずは、プロセスだが、住民投票を行うためには〝住民投票条例の条例案を議会に上げること〟が必要。

どうすれば議会に上げられるか、3つの意思がきっかけとなり得る
1つ目は、住民の意思。住民は、一定数以上の署名を集めることで議会に上げられる。
2つ目は、議会議員の意思。町議会や市議会といった自治体の議会の属する議員たちも、きっかけになり得る。
3つ目は、町長・市長など自治体の長の意思。首長の意思があれば、すぐに議会への審議へと進めることが出来る。宮城・大郷町のケースはこれに当たる。

この3つのきっかけから議会での審議が行われ、『住民投票』条例が可決されれば、実際の投票へと進むことになる。
住民が、直接 施策に対して意思を示せるというのが最大の特徴だ。

ただ一方で、日本の政治は『議会制民主主義』。
我々、有権者が選んだ議員のの話し合いで方向性が決まっていく。
ならば、『住民投票』はこれに反するという見方も出来るがー。

『住民投票』の役割について、政治学が専門の東北大学・河村准教授に話を伺った。
〝住民投票は議会制民主主義を補完する点で有効〟

どうしても議員に委ねる中で、自分達が政治に関わっているけど関わっている意識が希薄になりがち。
ここに、『議会制民主主義』の穴があると言える。

この穴を塞ぐにあたり、『住民投票』があれば、住民が投票するにあたって賛否を呼んでいる施策について理解を深めることが出来る。

自分たちの意見が、直接 票になってあらわれると思うと、勉強する人が増えるはず。
これにより、政治を他人事ではなく自分事として捉えられる点で、意義があると話していた。

『住民投票』のそもそも、について、お伝えした。

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