地域内総生産 県内1位は長崎市ではなく「諫早市」なぜ? 市内で建設ラッシュ その背景に半導体関連企業《長崎》
こちらは市や町ごとの総生産のデータです。
県内の市や町の経済活動で新たに生み出された価値を1人あたりに換算、経済規模を示しています。
「2020年度のランキング」上位5位の数字ですが、トップが約486万円。2位は時津町で約414万となっています。
佐藤肖嗣アナウンサー、県内1位はどこだと思いますか?
(佐藤肖嗣アナウンサー)
「普通に考えれば、県都 長崎市ではないでしょうか」
実はトップは、諫早市。長崎市は7位なんです。
諫早市は長崎市と比べ、120万円近く上回っています。
今、勢いのある諫早市、何が起きているのでしょうか、取材しました。
(島田啓子記者)
「新幹線も停車するJR諫早駅のすぐ近く、永昌町です。こちらには大きなクレーンが見えます。15階建てのマンションの建設が進められています」
一方、反対の東口にも・・・。
バスターミナルの跡地に、高層マンションが建設されます。
(70代 諫早市民)
「(マンション) 増えている 次から次に すごい」
(40代 医療事務)
「駅周辺にマンションができたりとか、新しい会社が入ってきたりして住む人が増えていると見たことがある。そういう関係なのかな」
おととし、新幹線駅も開業した県内第3の都市、諫早市。
市民も驚くほど “建設ラッシュ” となっていました。
その背景にあるのが・・・。
半導体産業を中心にした工場の増設や新設です。
去年12月、ソニーグループの基幹工場「長崎テクノロジーセンター」に半導体の製造棟が増設。
大手電子部品メーカー「京セラ」は、半導体部品を製造する工場の立地を決定し、再来年に操業開始の予定です。
カステラ本家福砂屋も再来年に工場を完成させる計画です。
製造業を中心に、次々に進む企業誘致。諫早市の大久保市長はこう話します。
(大久保 諫早市長)
「(立地は)交通機関が整っていて地の利がいい。また半導体に非常に必要な水が豊富にあることが挙げられる。進出が決まった京セラは、将来的に1000人の雇用といっている。ソニーも拡張しているので、いろんな意味でいうと数千人規模の雇用が新たに見込める」
「豊富な水資源」と「広い土地」。
そして新幹線が止まり、長崎空港も近いという立地をいかし、誘致を進めています。
市内には、工業団地や産業団地が6か所ありますが、ほぼ立地が決まったため、新たな団地の建設計画を進めています。
7つ目として計画する産業団地には、半導体やロボット・航空機産業などを中心に、誘致を目指す方針です。
1人あたりの経済規模は6年連続、県内トップとなっています。
(諫早出身の20代)
「こういうのは知らなかった。人口的にも長崎市より少ないと思う。そういわれると、諫早にもう1回戻ってきたいと思った」
(60代)
「ソニーとか、そういう工場が増え たからではないか」
(大久保 諫早市長)
「製造業が50%ぐらいと高いので、そこが経済総生産を上げている。所得市民税額でみると逆転する状況なので、外から稼ぎに来て諫早に住んでない状況が考えられる。市民の皆さんの所得が上がっていくということにつながるためには、やはり定住人口を増やさないといけないと思う」
再来年度中には、市内に大型商業施設のオープンも予定される諫早市。
市は、今後5年の間に3000人ほどの雇用が増えると見込んでいて、定住人口が増えるよう、今後、宅地造成の規制緩和も進める方針です。
まちづくりが大きく進もうとしています。