東京の大学生が半年も前から鳥取県にやってきた理由は? 「演劇を通して地元の方に(地元の良さを)伝え直すことができるよう」 その土地に住み、地元の人と関わりを演劇を披露 鳥取市用瀬町
東京の大学生が鳥取県に住み込みで制作した演劇が9月6日から開演します。鳥取を表現する演劇を通して彼らが伝えたいこととはー。
9月4日、鳥取県庁で平井知事を表敬した5人の大学生たち。彼らは東京大学や慶応義塾大学など首都圏の大学生で結成し、全国各地で演劇公演を行う「遊学生」のメンバー。
鳥取県 平井知事
「鳥取生まれ、用瀬生まれの作品が大成されていくことを心待ちにしています」
9月6日から鳥取市用瀬町を題材にした演劇を披露するため、平井知事に開催を報告しました。
遊学生代表 田口響生さん
「演劇を通して地元の方に(地元の良さを)伝え直すことができるように最後まで尽力して頑張りたいと思います」
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鳥取市用瀬町に彼らがいつも稽古する公民館があります。
~演劇の一場面~
「またいつか戻ってくるかとか、全然約束はできないんだけど、私たちの関係性とか人の縁とかって簡単に消えちゃうようなものじゃないんじゃないかって」
劇の舞台にしたのは、閉店が決まったとあるレストラン。スーパーマーケットや百貨店など地域に愛された店の閉店が相次ぐ山陰。そんな町の現状を知り、閉店の最後の一日、店に居合わせた人々から新たなつながりが生まれていく、という物語を考えました。
演出担当 大沢香晴 さん
「ここって東京にはなくて、鳥取にしかないものだよねとか、ここで私たちが皆さんと出会わなかったらできなかったであろう演劇をつくる」
演劇を作るために彼らが取り組んだこと、それは町に住み込むことです。彼らは鳥取のことを知るため、半年前から何度も鳥取県用瀬町を来訪。さらに8月から家を借りて集団生活しています。そこには、住民の姿もー。
学生
「お家にお招きしていただいて、一緒にご飯食べたりとか一緒に山登ったりとかしました」
用瀬町住民 松本典征 さん
「川があって山があって、町があってそこに住んどる人はそれが当たり前だけん自慢ができん。都会に住んだことがないけん」
町に住む人との関わりを大切にして劇に落とし込むのが、彼らのスタイル。
~演劇の一場面~
「ランドナップって米子にしかないだ!?」
「東部は、大山より砂丘とか浦富とかそっちの方行くんだよね」
劇中では鳥取ではおなじみの方言も…。町を歩けば近所の人が声をかけてくれる、当たり前におすそ分けをくれる。暮らすことでしか感じることのできない地域の温かさを演劇で表現したいといいます。
遊学生代表 田口響生さん
「レポートとか論文とか、プレゼンとかそういう発表の仕方では表せない鳥取についてもう一度丁寧に見つめ直してもらったりとか、ここいいなと思ったりとか、こんなところあるということを振り返っていただく機会になるような演劇にできればなと」
彼らの思いが詰まった演劇、『たぶんうまくははなせないけど』は9月6日夜6時半から3日間にわたって鳥取市用瀬町で開催されます。