オンラインでのマッチングで後継者を全国から募集 鳥取県北栄町の長いも農家が後継者を探すため全国へ呼び掛ける様子を取材 特産「砂丘長いも」の魅力を守るため、新たな後継者に事業の引継ぎを目指す 鳥取県
高齢化が進むなか事業を続けるために欠かせないのが後継者の存在。そこで今回注目したのはオンラインでのマッチング。鳥取県北栄町の長いも農家が後継者を探すため全国へ呼び掛けるその様子を取材しました。
鳥取県特産の「砂丘ながいも」。9月から収穫も始まり、まさにいま繁忙期を迎えています。
鳥取県北栄町で砂丘ながいもを生産している「大栄農産」。代表を務めるのは吉村徹哉さん・72歳です。いまでは年間8万本の長いもを安定的に生産していますが、ある不安がありました。それが後継者不足です。
大栄農産 吉村徹哉 代表
「年齢的にもう何年かで無理がくるなと思っておりますんで、せっかく開拓した場所をそういうお客さんをこれで失くしてしまうのももったいないですしね」
手作業で収穫し1本ずつ箱へ梱包するなど手間のかかる作業が今後自身の体への負担になるのではと懸念しているのです。
大栄農産 吉村徹哉 代表
「選果をしないといけないし大・中・小を仕分けをしないといけない。病気・変形があるかないかも見ないといけない」
それでも全国にファンがいて、今後もながいもを届けていきたいという吉村さん。そこである方法で全国から事業の後継者を募集することにしました。
大栄農産 吉村徹哉 代表
「もしもいい人がおられれば、やっていただければなぁという気持ちですね。若いのがいいですわね。まぁ30代くらいからだったらいいでないですか」
この日、吉村さんの姿は鳥取市内のホテルにありました。これは日本政策金融公庫が主催したイベント。吉村さんのように後継者を探す事業者と事業に興味がある参加者をオンラインでつなげるために開かれました。約180人の参加者に対して具体的な業務内容などを動画で発表します。
参加者から栽培方法についての質問が出ると?
大栄農産 吉村徹哉 代表
「栽培する機械とか植え付けとか収穫とか、そういう機械も全部引継ぎしてもらいますんで、やり方は教えます。完全に分かるまでは指導しますし、大丈夫だと思います」
イベントで興味を持った事業者・参加者がマッチングすれば主催者を通して今後面談などが行われるということです。
日本政策金融公庫 鳥取支店 秋山修一郎 事業統轄
「県とか商工会のみなさまと連携して、情報をより多く広めてマッチングの機会をどんどん多く作っていきたいと考えております」
新たな後継者に事業の引継ぎを目指す大栄農産。特産「砂丘ながいも」の魅力を守るために事業の承継活動を続けていくということです。