運休続く「坊っちゃん列車」必要性や支援のあり方は?市民アンケートの結果公表
運転士不足などを理由に去年11月から運休が続く、坊っちゃん列車。
きょう市民を対象に、税金を使っての運行支援の是非などを尋ねたアンケートの結果が公表されました。
松山市役所で開かれた「坊っちゃん列車を考える会」には、伊予鉄グループの清水一郎社長など観光・経済関連の団体、金融機関などから11人が出席しました。
2回目となるきょうの会議で共有されたのは、先月29日から11日間松山市の公式LINEの登録者、9万5000人あまりを対象に行ったアンケート調査の結果です。
運行再開の必要性や、市の支援の在り方などを問うアンケートで、およそ8割が「運行を再開した方がいいと思う」と回答したことが分かりました。
きょう、街の人からは…
松山市民:
「寂しいと思います。せっかくの観光地で皆さん楽しみで来られる方が多いじゃないですか、坊っちゃん列車を。つい見たら手を振りたくなる」
松山市民 高校生:
「小さい時からあるのでなくなったら寂しいなと思います」
東京から仕事でよく松山へ:
「ポーっという音を聞くと松山来たなと思いますしね。すごくいい物なのに、人手不足という理由でなくなっちゃうのはすごく残念」
運行再開を望む声が多く聞こえました。
運休から2か月半が経過した坊っちゃん列車ですが、前回の会議で伊予鉄道の清水社長は、運行開始以来の赤字額が累積で14億円に上っていると明らかにしていました。
清水社長は「民間会社の努力の限度を超えている。運行コストなどの支援が得られれば、今年春にも再開できるよう最大限努力する」などと、運行における‟経費の支援”を求めています。
これに対し、松山市は「松山の魅力をアピールしていくためにも運行再開は重要だと考える」として、いまどんな支援ができるのか協議を重ねています。
そんな中、松山市が一般市民からの意見を取り入れようと行った今回のアンケート。松山市の公式ライン登録者およそ9万5000人のうち、1万693人から回答がありました。
質問は8項目あり、このうち「人手不足や赤字を理由に運休する坊っちゃん列車、再開した方がいいと思うか?」という質問に対し、「はい」は82.7%「いいえ」は17.3%となりました。
そして「再開には赤字解消へ松山市の支援が必要だが、市が税金を活用して支援した方がいいか?」に対しては、「はい」21.3%「一部のみ」46%「いいえ」14.2%「回答しない・再開を望まない」18.5%という結果となりました。
これらの結果に対して、会議に出席した伊予鉄道の清水社長は次のように話しました。
伊予鉄グループ 清水一郎社長:
「何とか桜の咲くシーズン、3月春休みにスタートさせるにはどうしたらいいかと。私からは、何とか本日のこの会合で何か方向性だけでも決めていただきたいということを申し上げました。アンケートは松山市がお話するということなので」
松山市によると、きょうの会議では、具体的な再開時期や税金投入の是非などについて結論は出なかったということです。
今後、アンケートの結果や参加者から出た意見などを踏まえ、まず松山市と伊予グループが坊っちゃん列車を再開するかどうかや、その再開時期などについて具体的に検討するとしています。