高知県須崎市の須崎町漁協の前の組合長が、市内の他の漁協に対し不当に金銭の要求を行うなどの行為を繰り返し行っていた問題で、漁協は3月19日に須崎市長に是正報告書を提出しました。

19日に須崎町漁協の幹部が須崎市の楠瀬市長を訪ね、市から求められていた是正報告書を手渡しました。

この問題は、須崎町漁協の前の組合長が2020年に他の漁協が設置したいけすに船の網が接触し破れたなどとして、他の漁協に対しあわせて100万円を要求し受け取るなど、不当な行為を繰り返していたものです。
また、この組合長は漁協の組合員に対しても恫喝などのパワハラ行為を長年繰り返していました。

2月28日に須崎市内の4つの漁協が連名で須崎市長に要望書を提出し、不当・不誠実な行為を繰り返す組合長の解任や組織運営改善策を講ずるよう強く求めました。
これを受けて市は3月5日、須崎町漁協に対し地方自治法に基づく総合調整権を行使し、組織運営の改善を求める勧告を出しました。

須崎町漁協では3月1日の理事会で前組合長の解任を決定し、前の組合長は現在、組合の理事になっています。
19日に新たに就任した中川弥太郎組合長と組合幹部3人が楠瀬耕作市長に、是正報告書を提出しました。
報告書には「新たな運営体制の構築と、抜本的な組織改善策を講じる」と記載されています。

また、去年12月に県が行った調査では、須崎町漁協は理事会の資料や会計書類について、作成の有無や保管場所が不明で多くの事項が確認できず、県は「適正な文書管理や組合員などに説明ができる体制作り」に取り組む必要があるとし、県は漁協に対して今年5月7日までに今後の取り組みや措置状況を回答するよう求めています。