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静岡市議選 3月23日の投票日迫る 「生活に最も身近な選挙」その意義は?

2025年3月21日 17:44
静岡市議選 3月23日の投票日迫る 「生活に最も身近な選挙」その意義は?

23日は、静岡市議会議員選挙の投票日です。「生活に最も身近な選挙」とも言われますが、投票率の低下も心配されています。市議選に投票する意義とは?

静岡市葵区の静岡市役所本館。県内で初めての国登録有形文化財であるこの建物は、91年前、市の予算の5分の1、66万円を投じて建設されました。

来年度の当初予算の5分の1とすると、およそ800億円!莫大な予算がかけられたこの本館の中にある市議会の議場で、市政について議論する市議会議員を決める選挙が、あさって23日投票日を迎えます。

静岡市議選は、葵区で17人、駿河区で15人、清水区で16人の、合わせて48人を選ぶ選挙です。今回、政令市移行後、最多となる73人が立候補し、激しい選挙戦となっています。静岡市議会議員になると、任期は4年、毎月66万3000円の議員報酬に加え、ボーナスにあたる期末手当が年におよそ360万円。

また会派に対し、議員1人あたり毎月25万円の政務活動費が支給されます。現在の静岡市議会は、最大会派である自民党市議団が半数に迫る23議席、第2会派は地域政党と立憲民主党の議員らでつくる「創生静岡」で8議席、労働組合などが支持母体の「志政会」が5議席。公明党が5議席などとなっています。

難波市長が当選した2年前の選挙では、自民党市議団をはじめ、公明党や野党系会派など多くの会派が難波市長を推薦・支援をし、当選を後押ししました。今回は、最大会派の自民党が過半数を得ることができるのか、それとも、ほかの会派が議席数を伸ばすのか注目されています。

国政選挙や市長選など様々な選挙がある中で、市議選に投票する意義はどこにあるのでしょうか?地方政治に詳しい静岡大学の井柳美紀教授に聞きました。

(静岡大学 井柳美紀教授)
「静岡市議の仕事として大きなものは、地域の人たちの声を聞いて、それを行政に働きかけ、結びつけていくというパイプ役を担っている。身近な選挙なので、1票を行使するっていうことの意味は大きいのかなと思う。」

市議選は「生活に最も近い選挙」と言われ、私たちの生活に直結する市政運営の監視や、市民の声の代弁者としての役割を担う議員を選ぶ、非常に重要な選挙なのです。市民に今回の選挙への関心を聞いてみると・・

(市民)「投票に行きます。-この今の状況を良くしてほしいという気持ちがある。やはり身近な問題ですので、市民のことをよく考えてくれる方を選ぼうと思う。」
(市民)「(関心は)ないですね。もうちょっと身近に、自分たちが投票したら何があるのかをもうちょっと具体的に分かれば、ちょっと行きやすくなると思う。」
(市民)「少しは関心があるが、なかなか内容までは把握していないので、どういったらいいのかというのがあって、予定が合えば行こうとは思う」

「身近に感じにくい」といった理由から、若い世代を中心に関心の低さが目立ちました。静岡市議選の投票率は右肩下がりに低下していて、4年前の前回選では40.1%。「今回の選挙では40%を切るのではないか」と危惧されています。

静岡大学の井柳教授は「争点の分かりにくさ」が、投票率低下の要因になっていると話します。

(静岡大学 井柳美紀教授)
「市議会議員選挙というのは、候補者が何十人といる中から1人を選ぶという選挙なので、争点も分かりにくいし、大勢の中から選ぶという点で言うと、有権者にとっては選択のハードルの高い選挙ということは言える。少子高齢化の中で、財政というものが限られてくる中で、どのように使うかっていうことは、今後、これまでとは違う大きな課題がある中で、市政全体をどうするかっていう視点を持って、市議を選んでいくということも重要。」

スタジオにて
(津川祥吾アンカー)
ここからはこの市議会議員選挙の意義について、私と皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
まずそもそもですが、市議会議員さんってどんな仕事をしているのか、その基本的なところから皆さんとちょっと話し合い、議論してみたいと思いますが、まずその市議会議員さんの役割、たくさんあるんですけど、大きく分けるとこの2つと言われています。

まず、静岡市であれば「静岡市政の監視」、2番目が「地域と行政の橋渡し」ですね。
市政の監視というのは分かりやすく言うと、皆さんから集めている税金をどう使うか、市長さんをはじめとして、市の当局の方がこういうふうに使いますという方針は決めますけど、果たしてそれでいいんですかというのをしっかりチェックするのが市議会議員さんの仕事、非常に大きな仕事ですね。

もう1つが先ほど井柳先生からもありましたが、地域と行政の橋渡し。
地域の皆さんが何が困っているのか、何をしてもらいたいのか、それをしっかりと議員さんが聞いて橋渡しをするというのが1つ大きな役割になるかと思います。

具体的に市議会議員の皆さんに、先ほどの井柳先生がアンケートをしていただいたそうです。

その中で、ほぼ全ての市議会議員さんが「地域、地元要望をしっかりと聞くという活動を重視している」というふうに回答されたということです。

具体的にどんな要望があったかというのはこちら。
「道路補修やカーブミラーの設置」「一人暮らしの高齢者の相談」「コミュニティバス」などについてということなんです。
例えば道路補修については、実は市議会議員さん通さなくても市に直接言って直すことはできます。
だけど、どこに相談したらいいかわからないなというときに身近な市議会議員さんがいると非常に相談しやすい。
だいたい困りごとってどこが相談口かわからないところが最初の問題ですから、とりあえず何でも聞いてくれる市議会議員って非常に重要なのです。

(徳増ないるキャスター)
本当に日頃の生活の中のことで困りごとって何でもいいということですよね。

(津川アンカー)
市議会議員さんはこういったことを大事にしていると回答されているんですが、増田先生は市議会議員の方にこういった要望されたことがありますか。

(増田英行弁護士)
はい。私も最近特に何人かの市議会議員さんと知り合いになっていて、
仕事の関係で、裁判所にはなじまないけど、これはちょっと何とかしてあげないとかわいそうだなと思ったりとか、日々生活していて、あれ、これちょっとこうした方がいいんじゃないかなって思ったりしたことを気軽に議員さん、市議会議員さんに相談を持ちかけることをよくやるんですね。

多くの議員さんは非常に親身になって話を聞いてくれますし、もちろんそのままダイレクトに結果が出るわけではなくても、それを嫌がられたりとかそういうことは全然なくてですね、ああそうですかとよく聞いてくれます。
話をするこちらの方も、困ったことをそのまま、なんとなくもやもやしたままではなくてね。

(津川アンカー)
話すことによって何かが変わるかもしれないという期待を持てますし、そういう意味ではまさに地域の行政の橋渡しということは私自身非常に実感するところはよくあります。

それで、この橋渡しの部分なんですが、道路の補修なんかは直接(役所に)言って直してくれるよって話があるんですけど、様々な地域の困りごとを直接市の担当者の方にお話をしても、なかなか通らないってことが実はあって、こういう経験をされた方があるかもしれません。市議会議員さんを通して言うと話が早い。残念ながら事実そういったことがあります。
市の職員さんはね、皆さんちゃんとお話聞いてくださると思いますけども、やっぱり市議会議員さんが言うとですね、話が早いというのは残念ながら現実としてあります。

そういった意味で市会議員さんって非常に重要な仕事、役割なんですが、その市議会議員さんを選ぶというのは非常に重要なはずなんですが、投票率ですね。

先ほどの説明にもありましたが、静岡市会議員選挙についてはどんどん下がって40%まで下がっています。他の選挙も下がる傾向にはあるんですけども、それでも市長選挙よりも下がっていますし、衆議院選挙なんか場合によっては上がることもあるんですけども、静岡市会議員選挙はどうも下がりっぱなしで、さらに下がるのではないかと言われているんです。

はい。なんでこんなに下がってしまうのかということですが、一つには、
どうせ言っても変わらないだろうと、何を(基準に)選んでいいかわからないという難しさがあるんだと思います。
先ほどの街の声の中でも、関心はあるんだけどもという方が結構いらっしゃったかと思います。

それで井柳先生の方からですね、どういったところを参考にして選んだらいいのかというポイントを挙げていただきました。

まず、市長が変わりました。難波市長がですね、新しい市政を進めますよと言っていますよね。難波市政の中での初めての市議会議員選挙。

難波市長が言っているアリーナの建設ですとかね、街づくり、こういったものに対して各市議会議員の方々が、どんどん進めるべきだというのか、いや、もっとしっかりと検証してからやるべきだと言っているのか、そういったところが各候補者の方々がどういうスタンスで市政に対して意見を言っているのか、考え方を持っているのか、これが一つのポイントだということだと思います。

あと私の方から一つ提案をしたいと思います。
各候補の方が政策を言います。「私はこういうことをやります」という話をされるんですけども、その政策、みんないいことばっかり言っているなと思いますよね。その政策をよくみるときに、「今と未来」というところがあるかと思います。
私たちは生活していて、やっぱりこう、日々の生活に追われていてですね、今が困っているんだと、今どうしようということをどうしても関心がいきます。でも街づくりというのは今だけではなくて、未来のことも考えなきゃいけない。

ですから、市議会議員候補の方々が「こういう政策を考えなきゃいけない」「こうやります」と言ったときに、確かに今の問題を捉えてもらうのもとっても大事ですけども、では将来的にこの街をどうしたいのか、そういったところまでしっかりと踏み込んだ形で政策を言っているかどうか、そんなところを見ていただくというのも一つのポイントかなというふうに思います。

静岡市会議員選挙は23日投票ですね。静岡市民の皆さんはぜひ投票に行っていただければと思いますので、お願いいたします。

最終更新日:2025年3月21日 18:58
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