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【厳罰化】自転車の飲酒運転 依然軽視の風潮 法律による犯罪抑止力の限界を夜の街で垣間見る(静岡)

2025年3月21日 17:41
【厳罰化】自転車の飲酒運転 依然軽視の風潮 法律による犯罪抑止力の限界を夜の街で垣間見る(静岡)

2024年11月、罰則が強化された自転車の飲酒運転。飲酒運転による悲惨な交通事故が後を絶たない中、その現状と対策に取り組む夜の繁華街を取材しました。

(宴会)「乾杯」

この時期、お花見や送別会など、お酒を飲む機会が増えている方も多いのではないでしょうか?そんな機会が増える一方で、絶対にしてはいけないのが飲酒運転。

県内では、飲酒が関係する人身事故が、2024年1年間で60件確認されていて、5人が死亡。2024年12月、浜松市のバイパスで車が逆走し、衝突された車の男性が死亡した事故では、逆走した車を運転していた男が、事故前に酒を飲んでいたことが発覚。男は19日、過失よりも罰則が重い危険運転致死の罪で起訴されました。

重大な事故につながる恐れもある飲酒運転ですが危険なのは車だけではありません。2024年11月に交通違反の罰則が強化された自転車。自転車はこれまでにアルコールの影響で正常に運転ができない「酒酔い運転」のみ処罰の対象でしたが、「酒気帯び運転」の場合でも3年以下の懲役または50万円以下の罰金となりました。

罰則強化からまもなく半年が経ちますが、“夜の街”の実態はどうなっているのでしょうかー静岡市の繁華街で聞いてみると…

(男性)
Q.今からどこに行く?「ちょっとそこ行こうかな。」
Q.お酒を飲みに?「そうそうそう。自転車乗ってるでしょ。帰りは飲んでるからこうなっちゃいかんから引いて帰ってます。罰金払うぐらいだったら引いて帰りますよ」

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「酒飲んだので押して帰ろうかなと。アルコール入ったら乗ったらダメというのは聞いたことあるので、サクッと帰りたい時とか乗ってる方もいらっしゃるような気はしますね。自分で判断できなくなるまで乗んじゃうと、乗って危ないことしちゃったりもあるのかなって」

自転車による飲酒運転の罰則強化の効果が徐々に浸透しているようですが…取材をしていると飲酒運転で居酒屋を“はしご”する男性もー

(男性)
Qお酒も飲んだ?「もちろん、全然素面ですよ」
Q家は遠いんですか?「家は自転車で20分くらい」
Q帰りも自転車で?「自転車です」
Qちなみに自転車で罰則変わったの知ってますか?「知ってます、知ってます」

新しい罰則が整備されたことを知っていても、自転車を飲酒運転する人がいる一方、罰則が整備されたのを知らなかったという人もー

湖西市によりますと、2024年11月、湖西市の消防職員の男性が静岡市内で飲酒し、浜松市内の最寄り駅から自宅まで自転車で帰っている際、警察の職務質問で「酒気帯び運転」が発覚。男性は、浜松簡易裁判所から罰金10万円の略式命令を受け、停職1か月の懲戒処分となりました。男性は聞き取りに対し「厳罰化されたことを知らなかった」と話しているということです。

県警によりますと、自転車の罰則が強化されてから2月末までに「酒酔い運転」や「酒気帯び運転」での検挙が12件ありました。

移動手段として欠かせないという人も多い自転車。仕事帰りに自転車で飲み会に行っても自転車と“一緒に帰れる”サービスのある居酒屋もー

(居酒屋店内)「乾杯!」

この日は金曜日。翌日は休みということでお酒を飲むのを楽しんでいる様子。ここまでどうやって来たか聞いてみると・・・

(客)「自転車で来ました。帰りは送ってもらう。」「帰りが心配ない。それが最高。」

自転車で来たというこちらの男性。自転車は店に置いて帰るのでしょうか?

(客)「ごちそうさまです。」

なんと自転車の方へ。お酒を飲んだので乗ることはできませんが…車がやってくると自転車を積みこみました!この居酒屋では、片道10分までの距離であれば送迎サービスをしていて、自転車を積み込むことも可能です。

(客)「助かります。 ほんと、ありがたいです。ほかのお店は選びません。」「通勤助かりますね。」

これなら自転車で飲み会に来ても安心。大学も近いことから学生もこのサービスはありがたいようで、、

(客 大学生)「自転車の送迎サービス使ったことあります。自転車で来る人多いので、帰りとか送ってくれるとありがたいです。」

この送迎サービス、罰則が強化されたことで利用者も増えたようです。

(鳥幸 富士見台店 榊原 昌史 店長)
「罰則が強化され、警察からも飲酒運転に気を付けるよう言われている。罰を受けないためにも、自転車で来たら(送迎範囲は)自転車ごと載せてお送りしている。」

逮捕されるケースも確認されている自転車による飲酒運転。県警の担当者は、お酒を飲む人だけでなく、お酒を飲まない人も注意する必要があると指摘します。

(県警 堀井氏)「自転車を飲酒運転する人にお酒を提供した。さらには飲酒運転する自転車2人乗り同乗した場合も、処罰の対象になっている。」

道路交通法の改正に伴い、自転車の酒気帯び運転のほか、飲酒運転をする恐れがある人に酒や自転車を提供した場合でも罰則が科されます。

(県警 堀井氏)
「当然お酒を飲んで車自転車を運転すれば処罰の対象となります。やはり、注意力・判断力、運転操作に影響を与える危険な行為となりますので、絶対にやめていただきたいと思います。」

最終更新日:2025年3月21日 17:41
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