観光列車にサイクルトレイン…観光需要がカギ 赤字8線区 改善策3年程度先送り JR北海道
JR北海道は、単独では維持困難な赤字8線区について、本年度中に示す予定だった改善策を3年程度先送りすると国に報告しました。
単独では維持困難な赤字8線区について、地元負担を前提に存続を目指すJR北海道。
30日に開かれた国への報告会で、沿線自治体と2019年から続けてきた人を呼び込む取り組みの検証結果を伝えました。
(JR北海道 今井政人副社長)「地域の実情に合わせた数多くの取り組みを進めてまいりました」
カギとなるのが観光需要の取り込みです。
釧網線では、釧路湿原の景色を車窓からゆっくりと楽しめる観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」を運行。
また、富良野線では夏の観光シーズンに富良野と札幌を結ぶ観光列車「フラノラベンダーエクスプレス」で実証事業をすすめました。
さらに、花咲線では自転車とともに移動できるサイクルトレインを運行。
コスト削減も同時に進め、利用促進に向けた機運を高めてきました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で観光客の移動が制限。
赤字8線区について当初の計画通りの利用促進が図れなかったとして、「抜本的改善策」の総括を3年程度先送りすると報告しました。
(JR北海道 荻原国彦常務)「まずは新型コロナの影響によってうまくできなかった面、こちらを見直して、実証事業として行っていくということを検討していきたい」
(国交省鉄道局 山﨑雅生鉄道事業課長)「きょう報告書をもらいましたので、この後帰ってしっかりと分析して、今後の話をさせていただく形になる」
国は今年度中にJR北海道から受けた報告のフィードバックをする方針です。