【解説】解散命令が出るまでの経緯 いわゆる“統一教会”は今後どうなる?命令の根拠は?
統一教会に関するこれまでの経緯から見ていきます。
2022年、安倍元総理大臣の銃撃事件をきっかけに、高額献金の問題などが浮き彫りとなりました。
被害者への聞き取りの結果などから、2023年10月に当時の文部科学大臣は教団に解散命令を請求しました。
これに対し、教団は全面的に争う姿勢を示しました。
2024年2月から12月まで4回に渡り、東京地裁で教団側・国側の双方から直接意見を聞く審問が非公開で行われていました。
解散命令は宗教法人法第81条が根拠となっています。
これは法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為があった場合、所轄庁、今回の場合は文科省の請求により裁判所が解散を命じることができるというものです。
過去に法令違反を理由として「オウム真理教」と「明覚寺」が解散命令を出されていますが、いずれも教団幹部による刑事事件が根拠となっています。
今回の解散命令は、高額献金の問題など「民法の不法行為」が解散命令の要件に含まれるかが焦点となっていました。
文科省は、高額献金などによる犠牲は著しく公共の福祉を害するとして、解散命令の要件に該当すると主張していました。
一方、教団は解散命令を請求できる根拠は刑法などに違反する行為として民法上の不法行為は解散命令の要件に含まれないと主張して、対立していました。
ただ、最高裁は3月、教団の過料をめぐる裁判の中で「民法の不法行為も法令違反にあたる」とする初めての判断を示しました。
25日の東京地裁の解散命令はこうした最高裁の判断が影響したとみられています。
教団は25日の解散命令を不服として抗告するとみられます。
この場合、東京高裁で審理が続くことになります。
東京高裁で改めて解散命令が出た場合、教団は最高裁にも不服申し立てをすることはできます。
ただ、不服申し立てをしても高裁で解散命令が出た時点で教団の財産の生産手続きが開始されるとともに、教団は宗教法人格を失い任意団体となります。