“陸から海へ”転換 北広島→苫小牧→釧路へ トラックから貨物船で海上輸送 北海道で実証実験
労働規制の強化でトラック運転手が不足する2024年問題を解決しようと、イオン北海道が実証実験を実施しました。
ポイントは“陸”から“海”への転換です。
イオン北海道の商品が集まる北広島市内の倉庫です。
ここから全道各地への運送をトラックが担っています。
(宮崎記者)「物流倉庫からトラックの中に荷物が続々と運ばれていきます」
運ばれるのは医薬品や衣料品などのさまざな商品。
23日も釧路方面の店舗に運ぶ商品が積み込まれていました。
いま、この物流の現場が直面しているのが「2024年問題」です。
(イオン北海道商品本部 石田将物流改革マネージャー)「ドライバーの労働時間の規制という問題がありまして、釧路や函館など遠隔地に店舗がありますので、ドライバーの労働時間や確保をどうやっていくか」
運送業界ではことし4月から時間外労働の上限規制が始まりました。
トラック運転手の不足が深刻化していて、輸送力の低下が懸念されているのです。
そこで行われたのがこの実証実験です。
釧路の店舗に商品を届けるため北広島の倉庫を出発したトラック。
向かった先は高速道路ではなく…苫小牧港です。
荷台部分は港でヘッドを交換。
RORO船と呼ばれる大きな貨物船に載せられました。
イオン北海道が取り組みを進めているのが、陸送から海上輸送への転換です。
現在、北広島から釧路まではトラックが運送しています。
実験では北広島から苫小牧までトラックが運送し、その後、釧路までの長距離移動はRORO船が担います。
RORO船は一晩かけて太平洋を航行。
翌朝、釧路港に着岸しました。
荷台は再びトラックに連結。
午前のうちに店舗に到着しました。
(武田記者)「きのうの午後6時ごろ苫小牧港を出発した荷物が、16時間半かけて釧路に到着しました」
イオン北海道によりますと、トラックで運送していた分を海上輸送に置き換えれば、トラックの運行距離を月間2万9000キロ、CO2排出量を21トン削減できるということです。
(イオン北海道商品本部 石田将物流改革マネージャー)「トラックで運ぶよりも納品時間がかかるので、納品時間がかかる部分をオペレーションや発注をコントロールしてカバーできるかどうかを含めて検証していきたい」
イオン北海道は今後、店舗納品までのオペレーションなどを検証し、実用化に向けて検討を進めるということです。