クリスマスケーキに異変 業務用のバター不足 値上げに踏み切る洋菓子店も 猛暑が影響 北海道
来週のクリスマスに向けて、ケーキを注文をしたという人も多いのではないでしょうか。
しかし、ことしはクリスマスケーキにある異変が起きていました。
原因は私たちの体にもこたえた夏の猛暑です。
クリスマス商戦に向けて準備を進めているのは、北海道北斗市にある洋菓子店です。
クリスマス限定のホールケーキは1000台以上の予約が入り、完売となりました。
しかしことしは、このケーキ作りに欠かせないバターにある異変が起きていました。
(PATISSERIE ジョリ・クレール 佐々木善史常務)「実際にいまは前年の8割9割くらいの供給量です。価格の方も10~15パーセントくらい値上がりしているので、そういったところが今までと違うかなと思います」
店の頭を悩ませていたのは、業務用のバター不足。
原料の高騰も重なり、ことしは去年より1割程度の値上げに踏み切ったということです。
(PATISSERIE ジョリ・クレール 佐々木善史常務)「(バターを使わない)プリンやムースの商品ラインナップを増やして、バターをなるべく使わない商品を客に提案しながら販売していく形をとっています」
バターを使用しない商品の量を増やして、クリスマス商戦を乗り切ろうとしていました。
ここにきて洋菓子店を悩ませるバター不足。
専門家はことしの夏の猛暑による影響が原因だと話します。
(酪農学園大学 糸山健介准教授)「北海道でも約100頭以上の乳牛が死んでしまった。日射病とか熱射病で死んでしまうくらいかなり異常な暑さがあり、特にことしは夏の生乳生産が少なくなったと考えられる」
これまで家庭用・業務用ともに、バター不足の対策は海外からの輸入で求める消費を満たしてきました。
そのため家庭用への影響は少なかったものの、海外の輸入パイプを持っていない菓子店は業務用バターの入手が難しく、影響を受けやすいということです。
(PATISSERIE ジョリ・クレール 佐々木善史常務)「なんとか確保は出来ている状況だが、簡単に手に入る状況ではないというのは確かです。新規の店だと(バターが)手に入りづらいという話は聞きます」
工夫を強いられていた洋菓子店。
私たちの家庭用バターへの影響は少ないものの、家計への負担がかかるクリスマスになりそうです。