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【特集】タクシーのドライバー不足解消へ“女性のチカラ” 2024年問題きっかけ 労働環境を見直し“女性限定”で求人 その取り組みとは《新潟》

2024年4月6日 20:01
【特集】タクシーのドライバー不足解消へ“女性のチカラ” 2024年問題きっかけ 労働環境を見直し“女性限定”で求人 その取り組みとは《新潟》

運送業の時間外労働の規制が強化され、ドライバーの人手不足が懸念される2024年問題。これをきっかけに、女性が働きやすい勤務時間や職場環境を作り、女性ドライバーを増やしているタクシー会社が新潟市にあります。その取り組みとは。

女性ドライバー7人採用

午前8時。続々と出社してきたのは女性のタクシードライバーです。

新潟市東区にある日の出交通の営業所。

こちらの会社では去年12月、女性限定でタクシードライバーを募集し、これまでに7人が採用されました。

女性ドライバー専用車両を用意

それに合わせて女性ドライバー限定の車両も用意しました。

ピンク色が特徴の「まごころタクシー」です。

日の出交通 原田純子さん
「助手席と運転席の間に透明なガード板があって、後ろ側もドライバー側はふさがっている」

運転席を囲うような仕切り

まごごろタクシーには、運転席を囲うように仕切りが設置されています。これが、乗務中の安心感につながるといいます。

子供が自立したのをきっかけに、この仕事を始めた原田さん。子育て中は宅配のトラックドライバーをしていましたが、子どもが熱を出して休む際は、他の人に仕事を任せるのが心苦しかったといいます。

日の出交通 原田純子さん
「突発的に子供の具合が悪くなった時に、会社に休みますと伝えるのは申し訳ない。けど、タクシー会社は自分が休んでも他の人の負担にならないので、心持ちが全然違う」

ドライバー不足が懸念される“2024年問題”

トラックやタクシー、バスなど運送業をめぐっては、4月1日から時間外労働の上限が設けられ、ドライバーの人手不足が懸念されています。

いわゆる「2024年問題」です。

一方、日の出交通では、これまでの業界のイメージを変えるチャンスだととらえています。

日の出交通 永島裕人 取締役統括部長
「拘束時間が他業態に比べて長いとか、長期的な視点で考えれば、イメージを良くするための、素晴らしい施策」

こうした動きは、若い人や女性がドライバーを目指すきっかけになると専門家は話します。

新潟国際情報大学 佐々木桐子 准教授
「労働時間の規制が加わったということは、若い方や女性が働きやすくなるということに繋がる。採用や登用に結び付けられたらすごくいい制度になる」

行政や業界団体も力を入れる女性の採用

運送業で女性ドライバーを増やそうと、行政や団体も力を入れています。

3月、新潟市中央区で開かれた「運転手のおしごと体験会」です。

暮らしを支える運送業の魅力を知ってもらい、ドライバーの確保につなげようと、国土交通省や関係団体が協力して開かれました。

この日は、女性にも仕事を知ってもらおうと、女性ドライバーによる座談会も開かれました。

タクシードライバー
「介護施設で働いていたので、高齢のお客さまの通院のお手伝いなどが出来たらいいと思い、ドライバーの職を選びました」

バスドライバー
「30年ほどバスガイドを務め、将来的なビジョンを考えて、運転手になってみようと思った」

他業種に比べ低い女性の割合

各業界団体によりますと、
県内では女性ドライバーの割合は、

バス:1.25%
タクシー:7.84%
トラック:3.14%

他の業種に比べ、低いのが現状です。

子育て中の女性が働きやすい

女性ドライバーの求人に力を入れる日の出交通です。

多くの会社では、タクシードライバーはシフト制となっていて、深夜や早朝など勤務時間が不規則になりがちです。

そこで、今回採用された女性ドライバーは、希望する時間帯で働けるようにしました。

採用された女性ドライバー
「以前、タクシーの乗務員も検討したが、勤務時間が長かったり、朝が早かった」
「子どもがいるので、夜は勤務が難しい。娘と2人暮らしなので、夜に一人きりにさせるのは心配だった」
「インフルエンザの時期になると、(子どもの)兄弟間での感染もあるので、急な休みとかある。(この職場は)今までになかったくらい、取りやすい」

職場環境の改善

職場環境の改善のため、営業所のトイレは和式から洋式に。

それまで畳だった休憩室は、フローリングに改装しました。

また、タクシーの運行に必要な二種免許の取得も、会社が費用を負担するなど、未経験でも始めやすいようにしました。

当初は2人程度の採用を見込んでいましたが、想定を上回る応募があったといいます。

採用をきっかけに新たな目標も

この求人をきっかけに、タクシードライバーとなった原田さん。新たな目標も生まれました。

日の出交通 原田純子さん
「4月から、大型の二種免許も学校に通うことになって、タクシー以外にも観光バスであったり、新しいことにも挑戦したいと思います」

ドライバー不足による物流の停滞など、マイナスの面が注目されがちな2024年問題。

労働環境を見直せば、人手不足の解消につながる可能性もありそうです。


2024年4月4日「夕方ワイド新潟一番」放送より

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