【特集】そのクリックが落とし穴 被害が急増 “SNS型投資詐欺“の手口とは《新潟》
インターネット上の交流サービス、SNSを通じた投資詐欺が県内で急増しています。SNS型投資詐欺の手口とは。そして、だまされないために、私たちができることとは。
〈女性〉
「投資、投資なんですよ」
〈銀行員〉
「投資、投資ですか?」
〈女性〉
「早く振り込みさせてくださいよ。詐欺だとしても私の判断でやりますので、ほっといてください」
これは大阪の銀行で、実際に詐欺被害を防いだ際の再現です。
その詐欺というのが。
〈警察〉
「SNSの投資で儲かるは絶対詐欺!」
〈女性〉
「え、うっそー。私、だまされていたんですか」
SNS型投資詐欺。
インターネット上の広告やSNSを通じて投資を持ち掛けられカネをだまし取られる詐欺で、県内でも被害が急増しています。
県警の発表では7月末までに県内で確認されたSNS型投資詐欺は去年5件でしたが、ことしは46件。
被害額は去年より5億9000万円ほど増え、6億円に上ります。
ことし5月には50代の女性が約1億3000万円以上をだまし取られる被害にあっています。
被害が増えた背景について弁護士は……。
〈五十嵐勇弁護士〉
「貯蓄から投資へという社会の流れもあってみなさん『私も投資してみようかな』と。広い層にそういう意識があるので被害にあう方が増えてしまった」
ことしから始まった新NISAなどによる投資への関心が高まりや抵抗感が減ったことにより詐欺の被害が増えたのではと指摘します。
SNS型投資詐欺の入り口となるのは多くが有名な投資家や経営者などを騙った広告だといいます。
街の人に聞いてみると……。
「2回見たことはありますが、私はひっかかっておりません。欲があるから、簡単に儲かると思っているよね」
「いま20歳ですけど、“色々そういう話をされるかもしれないけどあまり流されないように”という話は親からされていたので」
「結構引っ掛かりやすくて、すぐ(広告)URLに飛んじゃったりするんですけど」
Q)“絶対もうかる”は信じますか?
「ないのは分かっているんですけど、専業主婦で時間があると、ちょっと見ちゃうというか」
〈五十嵐弁護士〉
「インターネット上の広告が入り口で、そういったサイトからLINEの友だち追加とつながって。勉強会やセミナーを名乗るアカウントの中に入って、そこで投資の勧誘を受けると」
こちらは県警が公表している詐欺の手口です。
SNSで知り合った相手から投資話を持ち掛けられカネを振り込むと、紹介されたサイトやアプリで、あたかも投資による儲けが出ているように表示されます。
それを信じてさらに投資を重ねたものの引き出すことはできず、知り合った相手とも連絡が取れなくなるといいます。
大阪の銀行で実際にあったケースを再現すると……。
〈女性〉
「私こんなにもうかっているんですよ。私のお金がどんどん増えているんです」
〈警察〉
「この投資アプリ、これはウソのアプリです」
このアプリで自分の資産が増えていると信じ、不動産を購入しようとした人もいるといいます。
〈五十嵐弁護士〉
「『私、こういうお金があるんです』と表示したスマホの画面がまさに詐欺サイトでダウンロードしたであろうアプリの表示画面だったというのはありました。でもその方はご自身が詐欺にあっているという認識がなかったんだと思うんです」
五十嵐弁護士は被害にあったお金はまず戻って来ることはないとした上で、だまされないために先ずはサイトにアクセスしないこと、また、アクセスしてしまっても勧誘を受けた段階で周りに相談をしてほしいと話します。
〈五十嵐弁護士〉
「そういった怪しげなサイトで投資を試みる方は、周りに相談していない。周りに相談したら絶対に詐欺だと言ってもらえると思うんで」
将来への不安に付け込むSNS型投資詐欺。
県警はSNSなどでやり取りしている相手の話を安易に信じないよう呼びかけています。
2024年9月13日「夕方ワイド新潟一番」放送より