「やっと村の大人になれたって感じ」降りしきる雪の中 激しい炎の攻防 野沢温泉村で伝統の火祭り「道祖神祭り」「この世のものとは思えない」外国人観光客も魅了
雪が降りしきる中、今年も激しい炎の攻防が繰り広げられました。15日夜、下高井郡野沢温泉村で伝統の火祭り「道祖神祭り」が行われ、会場が熱気に包まれました。
寺澤達哉アナウンサー
「火の攻防です。社殿を守る厄年の男たちにたいまつを持った村人が迫ります」
激しくぶつかり合う村の男衆。
野沢温泉村で江戸時代から180年以上続くこの「道祖神祭り」は、厄払いや子どもの健やかな成長を願って行われる伝統行事です。主役は厄年の男衆です。
午後7時。火祭りで使用するための火元もらいの儀式です。今年から村内にある記念碑に場所が移され、長さ3メートルほどのたいまつに火がつけられました。厄年が左右に揺らしながらおよそ300メートル離れた会場まで運びます。
午後8時すぎ、たいまつが到着。およそ5000人が集まった会場の熱気が一気に上がります。そして…。
厄年の男衆「火持ってこい」
厄年の男衆があおる掛け声と共に火の攻防が始まりました。
祭りの主役は数えで42歳と25歳の厄年の男衆。社殿と呼ばれる高さおよそ20メートルのやぐらの上に陣取るのは42歳。下を守るのは25歳の厄男。たいまつを持った村人が社殿に火をつけようと突進します。
攻防戦はおよそ1時間に及んだ末、社殿に火が放たれました。社殿が崩れ落ちると会場の盛り上がりは最高潮に。
カナダから
「アメージング」(素晴らしいです)この世のものとは思えない。これまでのどの経験にも勝る体験です」
オーストラリアから
「とても楽しんでいます。この祭りを見るために来たのですが想像以上です。最高です」
顔をすすだらけにした25歳の男衆。大役を果たした達成感から気持ちがあふれ出します。
25歳の厄男は
「もう号泣です。みんなの助け合いでここまでできて本当にありがとうございます。
Q.道祖神祭りとは?
「小さい頃からの憧れ、登竜門。野沢人としてのけじめかなと思います」
25歳の厄男は
「きょうは皆で守れて本当に良かったです。これでやっと村の大人になれたって感じです」
北信濃の冬の夜空を焦がす「道祖神祭り」。立ち上る火柱にさまざまな願いをのせ、今年も熱い夜が幕を閉じました。