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【アーバンベア対策】家屋などに立てこもったクマへの対応訓練 岩手・北上

2024年8月28日 0:00
【アーバンベア対策】家屋などに立てこもったクマへの対応訓練 岩手・北上

 岩手県北上市では28日、ツキノワグマが家屋などへ立てこもった場合を想定し、対応を確認する訓練が行われました。

 これは、県と北上市が、クマの出没に対応する体制構築を目指す国の事業を活用して実施したもので、警察や地元猟友会など、計約40人が参加しました。

 今回で2回目となる市街地での実地訓練。ツキノワグマの成獣1頭が、北上市内の倉庫に立てこもっているという想定で、市の担当者の指揮のもと、関係機関が連携し、クマを檻で捕獲するまでの一連の手順を確認します。

 立てこもるクマに対しては、吹き矢で麻酔を打ちます。

 麻酔が効いていることを念入りに確認しながら、無事にクマを檻に捕らえることができました。

 しかし、県によりますと、ここ数年で発生するようになってきた「市街地へのクマ出没」への対応は難しく、今回の訓練の参加者も手応えと課題を感じたようです。

 北上市農業振興課 島津英樹  課長
 「関係機関の協力を得ながらということでは対応できる形が少し見えたかなと。実際は現場ごとに変わることを考えると、状況に応じた判断が求められる難しさを感じた」

 県自然保護課 酒井淳 総括課長
 「シナリオがあるせいで場面ごとの判断がおそろかになってしまうことが若干反省点かもしれないので、事前にどういう手順なのかを理解したうえで訓練に参加できるようになれば、地域・状況が違っても同様の成果が得られる訓練になるのではないかと期待している」

 県内では今年度、クマによる人身被害は8月28日現在で8件8人となっていて、そのうち5件は畑などひとの生活圏で発生しています。

    テレビ岩手のニュース