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京アニ放火殺人事件の被害者遺族が山形市で講演 遺族「娘に触れられない…」「1人1人ができる気遣いを」

2023年11月16日 19:31
京アニ放火殺人事件の被害者遺族が山形市で講演 遺族「娘に触れられない…」「1人1人ができる気遣いを」

犯罪被害者への支援を考える集いが16日、山形市で開かれ、京都アニメーション放火殺人事件の被害者遺族が、自身の経験を基に講演しました。

 この集いは、犯罪被害者を支える社会を実現するため、県と「やまがた被害者支援センター」が毎年開いているもので、市町村の関係者など、およそ350人が出席しました。
 2019年7月に起きた京都アニメーション放火殺人事件で娘の渡辺美希子さんを亡くした母の達子さんと兄の勇さんが、「想いと願い」と題して講演しました。
講演の中で2人は、事件が発生した当時の状況や心境を、時折、言葉を詰まらせながら語りました。

母・達子さん
「自分の父親や母親の葬儀を経験しているので、最後はきれいに化粧してきれいに風呂に入れてさようならを言うのが当たり前という風に思い込んでたけれど、そんな事は一切できない。触れられないんです。」

36人が犠牲になった凄惨な事件。こうした事件が2度と起こらないように、2人はこれからへの願いを述べました。

兄・勇さん
「自分自身は自分の周りが幸せだったらそれでいいと思っていたけどそれだけではだめなんだと思い知らされた。
1人1人が出来ることとしては気にかけてあげる、気付いてあげることをどれだけできるかだと思う」

母・達子さん
「誰でもが自信を持って生きていける世の中が必要だと思う。」

また、2人は事件後、カウンセラーに支えられた経験について触れ、事件直後、被害者がカウンセリングを断った場合でも、再び声をかけて支えてほしいと話しました。

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