クマか 鶴岡市でナシの食害 冬眠前のクマが人里に降りてくる恐れ 県が注意呼びかけ
山形県鶴岡市で4日朝、クマによるものとみられるナシの食害が見つかりました。ことしは県内全域でクマのえさとなるブナの実が「凶作」の見込みでクマが冬眠前にえさを求めて人里まで降りてくる恐れがあるとして県は注意を呼びかけています。
畑の地面に散乱したナシ。鋭い牙で、かじった跡が残っています。午前6時頃、鶴岡市黒川で70代の男性が所有する畑に行ったところ、栽培していたナシおよそ20個が食い荒らされているのを見つけました。枝が折られ、木の幹には爪痕があり、クマによる食害とみられています。これまでに人的被害は確認されていません。現場の畑は赤川沿いにあり、200メートルほどの距離に小学校や保育園があります。
また、食害が見つかった5分後には現場近くの県道を横断する体長およそ60センチのクマが目撃されました。警察は同じクマの可能性があるとみて地域住民に注意を呼びかけています。ナシを栽培する男性によりますと食害を受けるのはことしが初めてということです。畑にあるナシの木は被害を受けた一本だけで10月1日にも数個が食い荒らされていたといいます。
県によりますとクマの目撃件数はことしに入って10月1日までに531件に上り、去年の同じ時期のおよそ1.5倍に増えています。さらにことしは、県内全域でクマのえさとなるブナの実が「凶作」と見込まれていて、県の担当者はこれから冬眠前のクマがえさを求めて人里まで降りてくることが増える恐れがあるとみています。
県みどり自然課鈴木 慎一課長補佐「特にこれからの季節は冬眠に入る前ということで栄養を蓄えようとすると言われている。クマに遭遇する危険性が例年よりも高まっていることを意識して対応して欲しい」
県は、クマを呼び寄せる原因となる生ごみや果物を屋外に出しっぱなしにしないことや山に入る際は音の出るものを身につけ、なるべくひとりで行動しないことを呼びかけています。