記録的大雨で秋田まで流された最上川舟下りの観光船 戸沢村に戻る 修理すれば使用できる可能性も
7月25日からの大雨によって戸沢村から100キロ以上離れた秋田県の海岸まで流されていた最上川舟下りの観光船の1隻が21日、およそ1か月ぶりに戸沢村の船着き場に戻りました。
21日午前、秋田県にかほ市の金浦漁港では、7月の大雨で海岸に流れ着いた観光船を運搬するための作業が行われました。船体に書かれているのは「第1もがみ丸」の文字。この船は戸沢村の名物「最上川舟下り」で使われていたものです。
25日からの大雨の影響で最上川が増水。戸沢村古口にある最上峡芭蕉ライン観光の舟下りの船着き場周辺は11メートルの高さまで川の水が押し寄せました。
舟下りに使用していた観光船は16隻のうち11隻が流され、一時営業ができなくなりました。
記者リポート(7月27日)「酒田市両羽町の最上川堤防です。河川敷には戸沢村舟下りの観光船が打ち上げられています」
これまでに流された11隻すべてを発見することができましたが、このうちの2隻は県をまたいで秋田県の海岸まで流れていました。
記者リポート「1か月近く前に流れ着いたこちらの屋形船ですが、屋根の部分など多くが壊れてしまっているが、しっかりと原型をとどめた状態です」
舟下りを運営する最上峡芭蕉ライン観光の職員が見守る中、にかほ市の港で見つかった船1隻が海から引き上げられました。
最上峡芭蕉ライン観光 南條裕司さん「浮いているので何とか生かしたい。ただうちの船は屋根がないとどうしようもないので、そこら辺の製作とかあってすぐには使えないけど」
そして、船はおよそ1か月ぶりに戸沢村に戻りました。
最上峡芭蕉ライン観光船頭 山科亨さん「すごいですね。感慨深いですね。これは発電機なんですけどよく残っていましたね。よく耐えましたよ」
船の中にはエアコンを動かすための発電機やエンジンが流されずに残っていて、船体も折れていないことから修理すれば再び使える可能性があるということです。
最上峡芭蕉ライン観光船頭 山科亨さん「奇跡ですよねこれは。10メートルの水量で100キロ流された。流された他の船は大破しているがこの船は残っている。すごいなって。奇跡の船といいますかなんかこみ上げるものがありますね」
最上峡芭蕉ライン観光は、戻った船を修理した上で再び舟下りで使用するかどうかことし中を目途に検討していきたいということです。また、流されたほかの船についても引き続き回収作業を進める方針です。