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新庄市でパトカーが流され行方不明となった警察官2人のうち1人の死亡確認

2024年7月26日 18:23
新庄市でパトカーが流され行方不明となった警察官2人のうち1人の死亡確認

山形県内に降り続いた記録的な大雨で、県内は25日遅くから26日朝にかけて酒田や新庄など合わせて6市町村に大雨特別警報が出されました。新庄市では警察官2人の行方が分からなくなっていますが、1人が現場付近で見つかり間もなく死亡が確認されました。

行方不明となったのは、新庄警察署に勤務するいずれも20代の男性巡査部長と男性巡査長です。
2人は25日午後11時40分すぎ、一般の人からの救助要請を受け出動しました。そして午前0時12分、巡査部長から「警察活動ができなくなった」と110番通報があり、その通報を最後に2人とは連絡が取れなくなりました。新庄市本合海で2人が乗車していたパトカーが流されたとみられています。当時、新庄市には大雨特別警報が発表されていました。
2人が出動したのは、福田山橋の近くとみられています。普段、現場付近一帯は水田が広がっています。
しかし、26日の現場付近は一帯が水浸しになっていました。
現場では朝、通報した人も含めて一般の男性3人が救助されました。3人とも命に別条はないということです。
パトカーの近くからは、この3人が乗っていたとみられる車3台が見つかっています。
警察官2人は、この3人の救助に向かう途中に行方不明になったとみられています。
警察は、およそ30人態勢で捜索しましたが、午後2時半ごろ、福田山橋の西およそ1キロの新田川の下流から、男性1人が見つかり、間もなく死亡が確認されました。服装などから行方不明になっている20代の男性巡査長とみられています。警察で身元の確認を進めています。2人はライフジャケットを持たずに現場に向かっていたということです。

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県内は25日午後1時5分に酒田市と遊佐町に大雨特別警報が出されました。その後、午後8時10分に大雨警報に切り替わったものの、雨雲が発達し、昨夜11時40分、酒田市と庄内町、それに新庄市、舟形町、鮭川村、戸沢村の合わせて6市町村に大雨特別警報が出されました。
大雨警報に切り替わったのは午前5時50分でした。
23日夜の降り始めから26日午後4時までの総雨量は、真室川町差首鍋で444ミリ、新庄で403.5ミリ、最上町瀬見で400ミリ、酒田市で304ミリなど各地で平年の7月1か月分の降水量を大きく超える記録的な大雨となっています。
この記録的な大雨の影響で各地の河川で氾濫が起きました。氾濫が発生したのは酒田市の日向川、鶴岡市の京田川、戸沢村の最上川中流、戸沢村の鮭川、最上町などを流れる最上小国川、大石田町の丹生川です。
また、最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」は現在も鶴岡市の一部地域と新庄市全域、戸沢村の中部地区に発表されています。
26日午前0時現在の県のまとめでは、酒田や鶴岡、新庄など17市町村の108か所で避難所が開設され、最大で1286人が避難したということです。
県によりますと、舟形町では26日未明、土砂崩れが発生して住宅1棟が巻き込まれ、住民の80代の女性が足にけがをして病院に運ばれ手当てを受けています。
また、尾花沢市と真室川町で住宅あわせて3棟が半壊、または一部損壊しました。住宅の床上、床下浸水はあわせて80棟確認されています。
土砂崩れや冠水などで国道47号の最上町と戸沢村の間の3か所で通行止めとなっているほか、真室川町の国道344号など各地で全面通行止めが発生しています。
酒田市大沢地区や戸沢村蔵岡地区など4か所で集落が孤立し、自衛隊などが救助にあたりました。
交通機関ではJR山形新幹線と奥羽線の山形ー新庄間が始発から終日運転を見合わせました。羽越線と米坂線、陸羽東線も終日運転を見合わせています。
山形地方気象台によりますと、これまでの記録的な大雨により、氾濫の発生や土砂災害の危険度が非常に高まっているところがあり、河川の増水や氾濫への最大級の警戒が必要です。また、7月30日ごろにかけても大雨が続く見込みで、引き続き土砂災害や浸水などへの厳重な警戒が必要です。

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