鶴岡市で「黄色い笹巻」を期間限定で提供 国の登録無形民俗文化財「庄内の笹巻製造技術」
国の登録無形民俗文化財に追加された庄内地方の笹巻の味を広く知ってもらおうと鶴岡市内の飲食店でいま「黄色い笹巻」が期間限定で提供されています。市内中心部にあるカフェを取材しました。
「お待たせしました。」
笹をまいて三角形に形作られた笹巻。
笹の中には黄色いもち米を固めたお菓子が入っていて黒蜜ときな粉をまぶして食べるのが定番です。
客「おいしい」
笹巻は、季節の節目に食べることが多い伝統食です。鶴岡市内では保存性を高めるために燃やしたまきから出る灰から作った灰汁でもち米を煮る作り方が伝承されていて全国的にも珍しい黄色い色をしています。
庄内地方ではほかにも地域によってさまざまな製法が伝承されていてその技術はことし3月、国の登録無形民俗文化財に登録されました。
しかし、各家庭で食べる郷土料理として受け継がれてきたため笹巻を提供している飲食店はほとんどありません。
鶴岡商工会議所総務企画課企画係 後藤富実主任「鶴岡市では食や食文化が観光コンテンツの一つとして非常に重視されて強化していく方向に向いているが多くの観光客から郷土食・在来作物などを食べる店が分からない、ないという声を多く上がっていた」
鶴岡市はことし地域伝統の食文化が多く根付いていることが評価され「ユネスコ食文化創造都市」に認定を受けてから10周年を迎えました。
鶴岡商工会議所は節目の年を迎え、より多くの人が郷土料理を身近で味わうことができる環境を整えるために試験事業を行っています。
その第一弾として市内の飲食店に呼びかけ期間限定で笹巻の提供を始めました。
酒田出身の客「食べたことなかった。初めて食べた。おばあちゃんとかと一緒に食べたらいいかと思う。今度、来ようと思う」
これまでも笹巻を提供していたウナギ料理店に加え、割烹とカフェのあわせて3店舗で6月9日まで職人が作った笹巻を食べることができます。
鶴岡商工会議所総務企画課企画係 後藤富実主任】「より多くの方に食べてもらい鶴岡の食や食文化の魅力を多くの方に知ってもらいたい」
鶴岡市の中心市街地にあるここ「ogawa en cafe」では10日ほどでおよそ30食を提供したということです。
鶴岡商工会議所は今後、提供数などのデータをもとに来年以降の観光戦略に反映していく方針です。