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【物議】「マナー以前というか正直あきれた」新幹線の乗降口を塞ぐスーツケース、入れないはずの線路に立ち入り電車と接触死亡事故…相次ぐ外国人観光客による迷惑行為の背景に、国ごとに違う“常識”!?

2025年2月11日 13:00
【物議】「マナー以前というか正直あきれた」新幹線の乗降口を塞ぐスーツケース、入れないはずの線路に立ち入り電車と接触死亡事故…相次ぐ外国人観光客による迷惑行為の背景に、国ごとに違う“常識”!?
新幹線の乗降ドア前に積まれたトランク

 オーバーツーリズムで相次ぐ迷惑行為。映画の“聖地巡礼”で多くの人が訪れる人気観光地では、死亡事故が発生。新幹線では、外国人観光客が積んだとみられる乗降ドア前のトランクに物議が。なぜ迷惑行為が起きるのか?日本と海外のマナーの違いは?弁護士・野村修也氏とパックン氏の解説です。

■「自治体の努力が仇となっている」外国人を招くための映画、“聖地巡礼”で死亡事故も…

 2015年に中国で公開された映画『恋愛中的城市(邦題:恋する都市 5つの物語/2018年日本公開)』は、世界5大都市を舞台にした短編ラブストーリー。そこのロケ地として中国人観光客に人気なのが、北海道小樽市のJR朝里駅です。また、小樽市は日本映画『Love Letter』のロケ地として、韓国でも有名だということです。

 しかし、2025年1月23日には、JR朝里駅で中国籍の女性(60代)が列車と接触し、死亡する事故が発生。踏切から約50m離れている線路上で、通常ならば立ち入りできない場所でした。警察によると、海の写真を撮るために、夫と線路内に立ち入ったとみられています。

 また、地元住民を悩ませているのが、観光客の交通マナー違反や私有地への立ち入りです。小樽市内の『船見坂』では、車道に出て写真撮影する人が跡を絶ちません。小樽市はイラストと複数の言語で注意喚起し、貼り紙で周知していますが、中国人観光客は取材に対し、「看板を立てて、正しい行き方を示せばいいと思う」「ちょっと危険だが、車が少しゆっくり走ってくれれば大丈夫だと思う」と話していました。

Q.小樽はカーブや坂が多いし、道が凍結していたら、さらに危険ですよね?
(弁護士・野村修也氏)
「危ないですね。曲がったときに気付かなければ、本当に人と接触すると思います。ただ、自治体は一生懸命、外国人を招くために映画を作ってもらうよう努力してきた経緯があります。それが仇となっている部分もあるので、皆さんマナーを守ってほしいなと思います」

■「正直あきれた」新幹線内の“スーツケース”、置き方に物議

 また、旅の移動手段である公共交通機関でもトラブルが発生。2025年1月29日に撮影・『X』に投稿された、新幹線の乗降ドアの前に積まれたスーツケースの写真が物議を醸しています。隣の車両にも同様の光景があったといい、撮影者は「出入り口や通路であるドアの前に積み重ねてあるという状況は、マナー以前というか正直あきれた」と苦言を呈しています。

 JR東海は、新幹線の手荷物ルールを定めています。重さは『30kg以内のものを2個まで』となっていますが、サイズは縦・横・幅の合計160cm以内なら持ち込み可、160~250cmは特大荷物として『特大荷物スペース付き座席』や『特大荷物コーナーつき座席』を要事前予約、そして250cm以上の荷物は持ち込み不可です。

Q.外国人観光客は、新幹線の手荷物ルールを知らないのではないですか?
(ハーバード大学卒・パックン氏)
「知らないと思います。我々も海外に行くときに、利用する交通手段のルールを全て調べるわけにはいきませんよね。また、飛行機に乗るから飛行機用のスーツケースは用意しますが、そのあとに利用する電車用のスーツケースを持つことはまずないと思いますので、これは結構引っかかると思います。海外だと都市間移動は基本的に飛行機ですが、日本は通勤の手段でもある新幹線に乗ることになるから、ちょっと例外かもしれないです」

Q.『特大荷物スペース』が予約制だというのも知らない人が多いですよね?
(パックン氏)
「乗った後ではもう遅いので、チケットを買うときに、ちゃんと知らせないとダメです」

Q.大きなトランクを無理やり荷物棚に乗せている人がいて、落ちてきそうで怖いこともありますよね?
(野村氏)
「半分近くはみ出ていて、恐ろしいなと思うこともありますね。乗降ドアの前にトランクを積んでいた件に関しては、新幹線は両側のドアが開くことを恐らく知らないんだと思います。乗ったときに自分のほうが開いたから、奥のドアは閉まっていると思って、そこに置いているのではないでしょうか。だから本当に、そういう基本的なことからわかってもらわないと、トラブルが起こってしまいます」

■「日本の満員電車はアメリカの図書館より静か」国によって違う“マナー”と“常識”

Q.マナーや習慣の違いといえば、エレベーターの中などでも外国人観光客はすごく喋りますよね?
(パックン氏)
「日本には独特のルールがあります。日本の満員電車はアメリカの図書館より静かなので、凄いです。エレベーターの中にも『私語禁止』という貼り紙があったりして、大声で喋ってはいけないというのが、日本の常識ではないですか。でも、僕のアメリカの友だちや親戚が日本に来ると、その貼り紙を見て、『何これ?』と聞かれます。私語禁止の意味を説明すると面白がって、私語禁止ルールが私語のきっかけになってしまうんです。だから、日本人から見ればマナー違反なんですけど、そのマナーは世界共通ではないことをわかっていただければと思います」

Q.アメリカでは、エレベーターの中で普通に喋るんですか?
(パックン氏)
「喋ります。よくあるのが、上司とエレベーターに乗ったら、向こうが逃げられないからプレゼンをするチャンスだと。30秒で、どれぐらい売り込めるかという。周りの人が聞いていても、一生懸命訴えるんです。それが、アメリカの常識でもあります」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年2月4日放送)

最終更新日:2025年2月11日 13:00
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