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【独自解説】ロシア軍機が日本の領空を侵犯 航空自衛隊が初めて「フレア」による警告実施 領空侵犯機にできるのは「退去」と「着陸」 今後自衛隊法第84条はどうなる?武器使用の明記で変わる各国の対応

2024年9月27日 23:00

 自衛隊の戦闘機パイロットは常に待機をしていて、緊急の場合5分以内に離陸すると言われていますが、実際何分で離陸するかは国家機密です。相手の航空機が領空に侵入し、「領空侵犯機」と判断した場合、パイロットは「兵器管制官」の判断を仰いで対処します。「兵器管制官」は空にいません。

 日本は、列島を囲むレーダーサイトが張り巡らされていて、そこから「入ってくる飛行機がいます。まっすぐ来ます。国籍は○○です」と言うような情報が入ります。そうすると、待機しているパイロットたちは上空に上がります。防衛省は公式に発表していませんが、今回は、まず北海道の真ん中の千歳基地からF-15が2機上がり、青森の三沢基地からF-35という日本では一番新しい戦闘機が向かったと見られています。

 今回のような「撃墜することを日本はできないのか」というのは国会でもたびたび問題になってきました。「他国の場合には問答無用なので、他国は領空侵犯を未然に防いでいる」というような主張があるわけです。

 領空侵犯について法律に書かれているのは自衛隊法の第84条です。ここで明文化されているのは、「退去してもらいなさい」と、もし入ってきた飛行機が言うことを聞かなかったら「着陸をさせなさい」ということになっています。そして、どの武器を使っていいなどは一切書かれていません。

 では、「何もできないのか」というとそうではありません。戦闘機は2機1組で飛ぶのですが、1機に対して相手が攻撃してきた場合は、もう1機が援護するために相手に攻撃をすることができます。上官の判断を仰いでいる余裕がない緊急避難、分かりやすくいうと“正当防衛”で撃っていいという解釈をしています。

 もう一つは、日本の上空に入って来た飛行機で爆撃機など、爆弾を落とす準備をしていて、下に日本国民いる、つまり国民に対して被害を加える準備をしている場合は法律に明文化されてなくても武器を使用するという解釈がされています。

 しかし、正当防衛というのはなかなか立証も難しいです。相手側は違うというかもしれません。2機1組ならば、1機が証人になるという意味合いもありますし、もう1機に対してバックアップをするという意味もあるわけです。

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■実際に領空侵犯機を撃墜すると後始末が大変 トルコとロシアの場合は…
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