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北京五輪“トップで争う”宇野昌磨の決意

2022年1月12日 22:14
北京五輪“トップで争う”宇野昌磨の決意

2018年、平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨選手(24)は今季、4回転ジャンプを5本組み込む“超高難度の構成”に挑戦しています。北京五輪を前に思いを語りました。

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――「五輪では、自分のまだまだ長いスケート人生の成長過程を見せられたらと思います。どんどん、どんどん課題が見つかっていく。一刻も早く練習して自分の糧にしたい」

■“無欲”で銀メダル 平昌五輪

宇野選手は、4年前の平昌オリンピックで、銀メダルを獲得。

――「五輪の何か特別さというものを感じる事なく、1つの試合として終える事が出来ました」

無欲で試合に出れば練習の100%が出せたという宇野選手。しかしその後、心境に変化が。

――「だんだんと自分の順位・成績を意識し始めて、1回も失敗出来ない、順位を落としたくないという気持ちが少しずつ芽生えました」

■平昌後 遠のく表彰台

平昌五輪から1年後、2019年の世界選手権では、「初めて結果を求めて試合に挑みたい」と話した宇野選手。優勝を狙い、自らを追い込みました。しかし、ジャンプが乱れ4位に沈みました。

その次のシーズンには、異例の決断をしました。子供の頃から長年師事してきたコーチの元を離れ、一人で試合に臨んだのです。

しかし、その結果は厳しいものでした。主要な国際大会、グランプリシリーズ・フランス大会では、フリーでジャンプを5度失敗するなど、自己最低の8位に沈みました。

――「どれだけ練習しても試合で自分の力が発揮できない自分に打ちのめされ、本当に…(スケートを)やめようかなと」

当時、スケートをやめることも考えたといいます。しかし、そのとき、会場から「ショーマ」コールがわき起こりました。一人きりのキスアンドクライに降り注いだ、温かい思い。宇野選手の目には涙があふれます。それは、うれし涙でした。

――「僕は結果を出す自分にしか価値がないと正直思っていた。本当に拍手が温かかった。会場の拍手で涙がこみ上げてきました。やっぱりスケートしかないと思いました」

■北京五輪へ“超高難度”4回転5本に挑む

そして、北京五輪を前に今シーズン、宇野選手は“超高難度”の構成に挑むことにしました。フリーに、4回転を4種類5本組み込むことにしたのです。そのために挑戦したのは4回転ループ。ここ数年、組み込んでいなかった高難度のジャンプです。

去年10月の練習では、転倒しても、何度も立ち上がり、練習を続ける宇野選手の姿がありました。宇野選手はこの4回転ループの他に、4回転フリップ、4回転サルコー、4回転トーループを組み込んでいます。超高難度の構成を滑りきるため、毎日、体力の限界まで練習を積み重ねたといいます。

――「やっぱり僕は上を目指している時が一番いきいきしているのかなと。僕のできる限界の構成をやりたいなと思います。ちゃんとトップで争う選手になりたい」

■「トップで争う選手に」北京五輪へ

そして2021年12月。宇野選手は、北京五輪の最終選考会、全日本選手権に臨みました。実は、宇野選手、試合直前に右足首をケガ。それでも、4回転5本に挑みました。

フリーの演技。1本目に跳ぶのは、あの4回転ループ。成功させました。2本目、4回転サルコーも成功。3本目の4回転フリップは、こらえながらも着氷。疲れのでる後半に跳ぶ4本目、4回転トーループは、転倒します。そして、最後。5本目、4回転トーループは連続ジャンプにしなければなりませんが、単発になりました。宇野選手は、北京五輪でも4回転5本に挑むとしています。

――「試合(での成功)は正直わからないですね。ただ今より成長した自分を見せられる確信をもった練習をしたいなと思っています。早く練習したいそんな自分がいます」