北京五輪代表・樋口新葉選手…荒川静香解説
夢だった五輪への出場を決めた樋口新葉選手。前回の平昌五輪の代表選考は落選しました。悔しい気持ちで過ごした4年間で手に入れたトリプルアクセル…日本テレビ系北京五輪メインキャスターでトリノオリンピック金メダリストの荒川静香さんが解説します。
◇
■「トリプルアクセル」その難しさとは
――トリプルアクセルはどういう風に難しいんでしょうか?
荒川静香さん
「アクセルジャンプは唯一前向きに跳んで後ろ向きに着氷するジャンプ。特に体重移動が難しいんです。他のジャンプはスケート靴の真ん中よりも前の方で体重移動をコントロールするんですが、アクセルは後ろから前まで広い範囲で体重移動が生じるのでわずかなタイミングのズレで失敗につながってしまう難しさがあります」
■フィギュア女子日本代表3選手それぞれの魅力とは
――トリプルアクセルを習得した樋口選手の魅力は?
荒川さん
「トリプルアクセルも含め、滑っている時の姿勢が非常にきれい。プログラムに緩急があり、表現に意思を感じられる、魅力ある選手です」
――坂本花織選手は?
荒川さん
「スピードやパワーが持ち味の選手。ジャンプは豪快なんですが、滑りのつなぎ目が非常になめらかで演技が途切れないところが評価が高いです。ジャンプ以外の技でも非常に加点がつく要素をたくさん持っている選手ですのでスピンやステップ、全体的に加点がとれるのが強みです」
――17歳の河辺愛菜選手は?
荒川さん
「今一番成長著しい選手だと感じます。トリプルアクセルは決まると加点がつくような素晴らしいジャンプですが、今シーズン序盤はなかなかうまくいかないところがありました。そういった経験の中から本番で力を出すことを身につけて、厳しい戦いを勝ち抜いてきました。この勢いをオリンピックで生かせるか注目です」
――3選手へエールをお願いします
荒川さん
「オリンピックというのは特別な大会なので、いつも通りが通用しにくい場所でもあります。ですが3人とも熾烈(しれつ)な戦いを勝ち抜いてたどり着いたオリンピックですので、自信を持って滑ってほしいです」